爆殺──その朝、英雄の夢が潰えた。
天皇の密命を帯びた中尉が、
昭和史の闇に迫る超一級ミステリー。
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。「満洲某重大事件」と呼ばれたこの関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇は、ひとりの陸軍中尉を皇居に呼び出し、真相の調査を命じる。
密命を受けて中国に渡った志津邦陽(しづ くにあき)を待ち受けていたのは、張作霖とともに列車に乗っていて左足を失った、日本公使館付駐在武官の吉永将(よしなが まさる)という人物だった。吉永の話から、爆殺された日の張作霖の列車には、軍事顧問として幾人もの日本軍人が同乗していたことを知り憤る志津。しかし事件の闇はそれだけではなかった。
志津が天皇に宛てて綴った、「満洲報告書」はその真実を伝えうるのか。
- 昭和天皇
- 張作霖爆殺の真相究明を命じる。
- 志津邦陽しづ くにあき
- 陸軍中尉。
- 鋼鉄の公爵アイアン・デューク
- 張作霖を乗せたイギリス製機関車。
- 張作霖
- 中国のおよそ半分を掌握した大元帥。
- 李春雲(春児)
- かつての大総管太監。
- 吉永 将よしなが まさる
- もと張作霖の軍事顧問。
年 |
物語と中国の出来事 |
日本の出来事 |
1926年 |
張作霖、安国軍大元帥として北京政権掌握 |
大正天皇崩御、昭和元年 |
1928年 |
張作霖、爆殺される 東陵事件(東陵、盗掘される) 張学良、易幟 |
初の男子普通選挙 |
1929年 |
溥儀、天津市内で転居 |
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マンチュリアン・リポート
これを読まずして昭和史は語れない!
張作霖はなぜ爆殺されたのか――瞠目の新史観で、闇に葬られた「真相」に迫る!
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。
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