おもな舞台
- 直隷省静海県梁家屯
- 北京市街
- 紫禁城
「蒼穹の昴」シリーズ
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年 | 物語と中国の出来事 | 日本の出来事 |
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1886年 | 梁文秀と李春雲(春児)、北京へ上る | |
1889年 | 春児、宦官として入廷する | 大日本帝国憲法発布 |
1890年 | 第一回衆議院議員総選挙 | |
1894年 | 日清戦争開戦 | |
1895年 | 日清戦争終わり、下関条約調印される | |
1898年 | 戊戌の政変 西太后暗殺未遂事件 袁世凱暗殺未遂事件 |
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1900年 | 義和団の乱 珍妃死去 |
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1901年 | 張学良生まれる |
極貧の少年に与えられた途方もない予言 そこに「希望」が生まれた
魂をうつベストセラー大作待望の文庫化!
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
もう引き返すことはできない。春児は荷台に仰向いたまま唇を嚙んだ。満月に照らし上げられた夜空は明るく、星は少なかった。「昴は、どこにあるの――」誰に訊ねるともなく、春児は口ずさんだ。声はシャボンのような形になって浮き上がり、夜空に吸いこまれて行った。途方に昏(く)れ、荒野にただひとり寝転んでいるような気分だった。「あまた星々を統べる、昴の星か……さて、どこにあるものやら」老人は放心した春児を宥(なだ)めるように、静かに胡弓を弾き、細い、消え入りそうな声で唄った。――〈本文より〉
若きエリートが志す新しい時代 その前に「試練」が立ちはだかる
一気読み必至の歴史的傑作!
官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀(ウェンシウ)。一方の春児(チュンル)は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后(シータイホウ)は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。
慈悲深き女帝が護る旧世の栄華 憂国の「熱情」は奔流となってほとばしる
疾風怒濤の面白さ。物語はいよいよ佳境へ!
落日の清国分割を狙う列強諸外国に、勇将・李鴻章(リイホンチャン)が知略をもって立ち向かう。だが、かつて栄華を誇った王朝の崩壊は誰の目にも明らかだった。権力闘争の渦巻く王宮で恐るべき暗殺計画が実行に移され、西太后(シータイホウ)の側近となった春児(チュンル)と、改革派の俊英・文秀(ウェンシウ)は、互いの立場を違(たが)えたまま時代の激流に飲み込まれる。