美しき妃はなぜ殺されたのか?
義和団事件のさなか、ひっそり
命を落とした妃をめぐるミステリー。
列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、なぜ、誰に殺されたのか。事件を知った日英独露の高官は、真実を究明することが、閉ざされかけたこの国の近代国家への扉を開くことになると、犯人捜しに乗り出した。
事件の鍵を握る人物たちに会いにゆく四人だが、全ての証言のつじつまが合わない。誰が嘘をつき、誰が本当のことを話しているのか。確かめるために四人が最後に会った人物とは。そしてあまりに切ない事件の真相とは――。
- エドモンド・ソールズベリー
- イギリスの伯爵。英国海軍提督。
- ヘルベルト・フォン・シュミット
- ドイツ帝国の大佐。男爵。
- セルゲイ・ペトロヴィッチ
- 露清銀行総裁。ロシアの公爵。
- 松平忠永まつだいら ただなが
- 東京帝国大学教授。子爵。
- トーマス・バートン
- ニューヨーク・タイムズ記者。
- 瑾妃チンフェイ
- 光緒帝の側室。珍妃の実の姉。
- 蘭琴ランチン
- かつて光緒帝の側近だった宦官。
- 光緒帝載湉
- 西太后の甥。第十一代皇帝。
年 |
物語と中国の出来事 |
日本の出来事 |
1900年 |
義和団の乱 珍妃死去 |
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1901年 |
張学良生まれる |
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1902年 |
珍妃殺害事件の調査 |
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1904年 |
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日露戦争開戦(〜1905年) |
1906年 |
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南満洲鉄道設立 |
珍妃の井戸
美しき妃はなぜ、誰に殺された?
列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、なぜ、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。
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