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パズルの答と解説

数学パズル1の解答

答 小円の直径は、一・三九二メートル。

解説と求め方

この問題を解くためには、つぎの二つのことを、予備知識として、もっている必要がある。
(ⅰ) 正三角形を、たてに二つに切ったときにできる図1のような直角三角形ABCにおいて、BCの長さを1とすれば、

数式1

図1

ここから、一つの辺の長さがわかれば、他の二つの辺の長さを求めることができる。

数式2

図2

問題図の大円の中心点をCとするとき、図2のなかのような形で、図1の三角形ABCを見出すことが肝要である。
小円の半径をrとすれば、

数式3

ここからrを求めれば、

数式4

数式5

数学パズル2の解答

⑵の答 「8、7、5、3」以外に、連続して、「50」以上まで行ける四つの数の組は、「8、5、2、1」と「8、6、5、3」との二つである。二つとも「51」まで行ける。
「8、5、2、1」と「8、6、5、3」のばあい、「44」の数を求めるのに、つまずきがちである。
これは、
44=(1/2+5)╳8
44=(3/6+5)╳8
で求められる。さきに紹介した『笑わない数学者』の、「7が二つ、3が二つで、24を出す問題」と、同じ構造である。
なお、「49」まで行ける四つの数の組に、「9、8、6、5」「8、6、5、1」「7、6、4、1」の三つがある。

解説と証明

いま、「四つの数の組」を、「容疑者」と呼ぶことにする。
「四つの数の組」で、四則演算によって出てくる数を、「到達数」と呼ぶ。1から連続して達することのできる最終の数(たとえば、「8、7、5、3」の四つの数の組における「65」)を、「最終到達数」と呼ぶことにする。
「最終到達数」が「50」以上になる「四つの数の組」を、「犯人」と呼ぶことにする。
「数学パズル2」の問題では、「容疑者」のすべてを、しらみつぶしに調べる。そして、「犯人」を割り出す。
これは、いかに効率的に、落ちなく、誤りなく、なるべく速く犯人を洗い出すか、その「方法」を求める問題である。
その「方法」には、さしあたり、二つの方法が考えられる。
「方法1」は、だれにでもわかりやすいが、犯人を割り出すのに、やや時間がかかる。
「方法2」は、「方法1」よりも速く犯人を割り出せるが、すこし、数学を必要とする。
「方法1」と「方法2」とでは、「容疑者」の「総数」(これは、ともに、四九五人となる)を求める方法が異なる。
まず、「方法1」についてのべる。
ちょっと考えると、「容疑者」の「総数」は、「9999」番から、「1111」番まで、番号をつけて整列させたとき、千の位が「9」から「1」までの「9種類」、百の位が「9」から「1」までの「9種類」、……以下同様で、「9の4乗」の、「六五六一人」のように思える。全数調査するのは大変だと思える。
しかし、たとえば、「8753」番の容疑者と「8573」番の容疑者は、「同種の四つの数」で、同一人である。
このようなダブリをのぞくために、四つの数を大きい順にならべ、表1のように整列させて、数を数える。以下、[9800番台の数の総数]なども、同様にして数える。
このように、個数の和を数え、さらにその和をとるという作業を重ねて行くと、調べるべき「容疑者」の総数は、「四九五人」となる。これは、手計算で、順に足して行けば求められる。ただし、和の記号Σを使えば、つぎのように、比較的簡単に算出できる。

数式6

表1

四九五人の容疑者であれば、一日に二〇人ずつ調べていっても、一ヵ月たらずで、全部調べることができる計算になる。
「9999」や「1111」などのように、顔を一目見ただけで、「犯人」ではないと判断できるものもあるから、根をつめて計算すれば、一日での手計算で、すべての「容疑者」を調べつくして、「犯人」(最終到達数が、「50」以上になる四つの数の組)を割り出すことができる。
つぎに、「方法2」についてのべる。
「方法2」では、「四つの数の組」を、表2のような五つのグループに分類する。
そして、各グループに属する容疑者の数を、組み合わせ記号Cを使って計算する。
その結果は、表2のとおりである。
「容疑者」の総数が、「四九五人」になることは、「方法1」のばあいと同じである。
表2において、同じ数を含む⑵⑶⑷⑸のばあいは、あまり高飛びできる(遠くまで行ける)「犯人」にはなりそうにないことは、ほぼ見当がつく。表2の⑴を、とくに重点的に調べればよい。
⑴に属する「容疑者」の数は、一二六人でそれほど多くない。「方法1」にくらべ、かなり速く正解に達しうる。
ただし、きちんとした証明のためには、表2の⑵~⑸についても、一応チェックする必要がある。
⑴に属する「容疑者」については、表3のように、大きさの順にならべて調べていけばよい。

表2

表3