ある夜、徹生は勤務先の会議室で目醒め、帰宅すると、妻から「あなたは３年前に自殺したはず」と告げられる。しかし、息子が誕生、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない。殺されたのではと疑うが……。

徹生の死の謎が解き明かされ、ようやく家族に訪れた幸福。しかし、彼にはやり残したことがあった……。生と死の狭間で「自分とは何か？」という根源的な問いを追究し、「分人」という思想が結実する感動長編。

強姦殺人事件の犯人を追う腕利きの巡査部長が自殺した。警視庁のエリート監察係長・榎本博史が真相究明に乗り出すと防犯カメラには驚きの画像が。「警察が警察を追う」シリーズ、さらに深まる謎を追え！

「きみは、本当は、いい子なんだよ」。トモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶトットちゃんと子供たちを描いた感動の名作。シリーズ累計800万部。戦後70年を迎え、字が大きく、絵も美しくなり読みやすくなりました。

トランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見された。現場に蠅とウジが蝟集していたため、捜査本部は赤堀涼子の起用を決定する。「虫の知らせ」を頼りに調査を進める彼女がたどり着いた、驚愕の真相とは。

大物弁護士が拷問の末に殺された。それほどまでに恨みを抱く相手とは何者なのか。妨害にひるまず真相を追う若き女性検察官岩崎紀美子は権力の暗部に踏み込んでいく。時代を先取りした乱歩賞受賞の傑作。

「常軌を逸した女子アナ好き」と書かれるよ うな男が生え抜き初の社長でいいのか。“ニュースショー”を成功させ視聴率で「四冠王」も夢ではないというテレビ局も内実は醜聞まみれだった。息もつかせぬ経済小説の力作。

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、雲南省で致死率六〇％の強毒性インフルエンザが出現！　水際の検疫が破られ、ついに都内にも患者が発生。総理は、“東京封鎖”を決断した。

税理士としての経験を買われ、京都府警に特別資格者枠で“中途採用”された戻橋京 一郎。「監察官をさらに監察する」新設部署に抜擢された戻橋が、組織的な犯罪隠蔽に立ち向かう。

勇名を馳せながら裏切りに斃（たお）れた祖父能家（よしいえ）。戦に向かず放浪を余儀なくされた父興家（おきいえ）。強大な敵に囲まれた備前で、復讐と家の再興の期待を背負った少年八郎は、乱世の梟雄（きょうゆう）・宇喜多直家と呼ばれるようになった。

「障害は不便です。だけど不幸ではありません」――日本中にセンセーションを巻き起こした感動のベストセラー出版以降、多くの苦悩と喜びを経験した著者が“その後”の心境を「第４部」として加筆した完全版。

29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持（ぶち）のために「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周費用が同じ一六三万円であることに気付いて――働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。

諜報員として戦場で、結核の病床で、死線をかいくぐり、ヒマラヤでヨガに徹した哲人天風が語る、積極的人生のすすめ。幾百万の人を生き生きと活かした、読むほどに生きる力がみなぎる哲人天風感動の教え。

個人の成長も組織の発展も、失敗との付き合い方で大きく違う。新たな創造のヒントや事故を防ぐ方法も示して、日本人の失敗に対する考えを大きく変えた。「失敗は成功の母」を科学的に実証した画期的な名著。

神戸から東北の被災地に赴任した小学校の応援教師。児童たちとの交流を通して、彼が見たものとは。日本の歪み、生者と死者、原発、ボランティア、震災遺構、記憶と忘却。未来へ向かう生命の輝きを描く短編集。

崇拝する中宮定子（ていし）を慰めるため、「枕草子」では美しいことばかり描いた。智識と才気で紫式部と反発し合った清少納言も、いまは山の庵（いおり）でひとり九十を迎える。心に甦る宮中での日々とは。著者渾身の意欲作。

貧しい名家の娘が長老に推されて漢の王室へ……。天が娘に与えた大きな約束は、呂太后が過酷に君臨する宮廷で、どのように果たされるのか？　老子の思想を敷衍（ふえん）する、清らかで華麗な、感動の名作。

昭和20年３月３日、南太平洋・ニューブリテン島のバイエンを死守する日本軍将兵に残された道は何か。聖ジョージ岬の悲劇を、自らの戦争体験に重ねて活写する。戦争の無意味さ、悲惨さを迫真のタッチで訴える。

古典落語が描くのは、庶民がその人生の哀歓を生きた社会である。落語の主人公を上方諸地に訪ね、彼らの息吹きをよみがえらせる笑いの巡礼記。軽妙な語り口で紡がれる、味わい深い“もう一つの落語”の世界。

ミッフィーの生みの親のディック・ブルーナさんのインタビュー集。仕事のこと、人生のことなど物作りへの思いがつまったブルーナさんの息づかいが感じられる珠玉の一冊。『ぼくのこと、ミッフィーのこと』の文庫版。

昭和三年六月四日、張作霖を乗せた列車が爆破された。昭和天皇の密命を受けて若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは。鋭い浅田史観は昭和史最大の謎にどう迫る。歴史ミステリーの白眉。