1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞、2006年『お腹(はら)召しませ』で第10回中央公論文芸賞と第十回司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で第42回吉川英治文学賞、2010年『終わらざる夏』で第64回毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。2015年紫綬褒章受章。2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞を受賞。2019年「蒼穹の昴」シリーズをはじめとする文学界への貢献で、第67回菊池寛賞を受賞。 『蒼穹の昴』を第一部とするシリーズは、第二部『珍妃の井戸』、第三部『中原の虹』、第四部『マンチュリアン・リポート』、第五部『天子蒙塵』と続いており、第六部に当たる最新作『兵諫』が2021年7月12日刊行予定。他の著書に『地下鉄に乗って』『おもかげ』『流人道中記』など多数。
張作霖爆殺から五年。満洲国を建国した日本に故郷を奪われ、張学良は大東北軍をも手離してイタリアへと向かった。大清の最後の皇帝(ラストエンペラー)となった溥儀は紫禁城を追われ、日本の庇護のもと天津租界へ。その激動のさなかに史上はじめて皇帝と離婚をした側妃がいた。国民的ベストセラー「蒼穹の昴」シリーズ第五部開幕!
満洲に新国家を建設しようとする日本。溥儀はふたたび皇帝となる日を夢見て天津を脱出する。東北では日本軍を相手に、ただ一人、馬占山が抗戦を続けていた。帰順を促されても応じない馬占山の前に現れたのは、かつて張作霖のもとで共に戦った張景恵だった。天命を、龍玉を抱く者は誰なのか。緊迫の第二巻。
政争に敗れ欧州に渡った張学良。亡命なのか帰国するのか、世界が注目する中、馬占山が、吉田茂が張学良の前に現れる。一方、満洲国の執政として、皇帝に即位する日を待ち望む溥儀と婉容の心のよりどころは、「魔法使い」甘粕正彦と、清朝の老臣、梁文秀だった。龍玉なき満洲の地で、夢を摑む者は誰なのか。
日本軍による張作霖爆殺で、自らの足を失った吉永将は、関東軍への強い不信を募らせていた。満洲国建国の真の目的とは何なのか。新京では人々のあらゆる思惑を呑み込み、溥儀の皇帝即位の大礼の準備が進んでいた。その裏に隠された悲劇。その時、春児は。歴史ロマン「蒼穹の昴」シリーズ第五部、堂々完結。
『蒼穹の昴』シリーズ第5部『天子蒙塵』文庫化を記念して、ご愛読いただきましたみなさまに、当選者のお名前を刻印した落款印、浅田次郎先生の『蒼穹の昴』シリーズ第5部まで各部の冒頭手書き原稿複製絵はがきセットが当たるプレゼントキャンペーンを行います。
応募締切● 2021年9月30日(当日消印有効)
応募方法● 講談社文庫『天子蒙塵』全4巻のカバー袖にある応募券を第1巻から第4巻まですべて切り取り、第3巻・第4巻に挟み込まれている応募はがきに貼り、必要事項を記入してお送りください。