独自の正義感を持ち、マイペースながらなぜか憎めない男、陣内。彼を中心に起こる不思議な事件の数々――。5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

お見合い30連敗、冴えない容貌。でも天才。百瀬は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「盗まれた霊柩車を取り返してほしい」ハートフル・ミステリー、堂々誕生！

自分の部屋でひっそりと死んだ俳人・片岡草魚。窓辺に咲く季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、全6編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。

夏休み最後の日、僕は「裏山」で美少女に出会う。自殺を思いとどまった少女は、あなたに私の命を預けると一方的に告げた。彼女との電撃的な恋の行方は？　斬新な筆致で賞賛を浴びる第42回メフィスト賞受賞作。

将来のビジョンが見えるという青年・圭史に死を予言された美緒。半信半疑のまま美緒は、殺人者を探しだそうとするが……。刻一刻と迫る運命の瞬間。稀代のストーリーテラーが描き出す、珠玉の連作ミステリー。

ぼくらを襲った事件はどうしようもなくひどかった。学校で起きた陰惨な事件。幼なじみのふみちゃんはショックのあまり心を閉ざした。ぼくだけにできることがある。チャンスは一度だけ。これはぼくの闘いだ。

世界を敵に回して、少女を守りぬこうとする少年。その姿にかつての自分を感じた元警官は、彼を匿うことにした……。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。

通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。事件から4年、別れた妻が見たのは「あの男」だった。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。

現職警察官が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かすが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。

修業中のパティシエ・里菜の元に、親戚だという少年が現れた。その夜、父が殺され、実家の洋菓子店が火事になり、兄が帰還した。すべての謎が明らかになるとき、里菜に送られるエールとは。感涙のミステリー。