講談社文庫

□2016年11月号目次

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多摩地方に来るとホッとします(笑)

 みなさんこんにちは、赤川次郎です。よろしくお願いいたします。

 本日お招きいただいたここ(吉川英治記念館・青梅市)は、東京の多摩地域にあたります。人には何となく足の向きやすい方角というものがあると思うんですけれど、私の場合のそれは多摩地域でございます。

 昔から縁があるところで、まず私の青春時代ですが、中学高校の六年間を国立(国立市)の桐朋学園に通いました。私は昭和二十三(一九四八)年の早生まれですから、私の同級生は昭和二十二(一九四七)年四月から翌年三月までに生まれた人たちです。みなさんご存じのとおり、この時期は戦後の第一次ベビーブームの頂点だったんですね。高校では一クラスが五十人くらい、八クラスもありましたから一学年四百人もいたわけです。しかも共学ではありませんでしたから教室には五十人の男子高校生がひしめいている。体育で着たシャツなんかを洗濯もしないでそのままロッカーに放り込んであるもんだから教室に入っていくといわく言いがたい異様な匂いがしてまして(笑)。

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