講談社文庫

書下ろし『八月十五日に吹く風』松岡圭祐

心震える感動の書。

1943年、北の最果て──奇跡の救出劇。
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『八月十五日に吹く風』

好評に応えて単行本で愛蔵版刊行!

『八月十五日に吹く風』 定価:本体1900円(税別) ご購入はこちら

「迫真の筆致。人道を貫き、歴史を変えた人々の信念に心震わされる。8月15日にふさわしい一冊。」冲方丁(作家)

「戦時下における命の尊さを訴える。」縄田一男(文芸評論家)
太平洋戦争の戦記を読む。日本人にとっては辛いことだ。だがこの作品には、まさに爽やかな「風」を感じた。さらに、意外な「あの人」がからむ終戦時の秘史まで明かされるとは! 驚愕と感動が融合した稀有な一冊だ。 ──内田俊明(八重洲ブックセンター)

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、1人の米軍諜報部員の報告で覆った。戦後占領政策転換の決め手となった1943年、北の最果てキスカ島での救出劇。日本は人道を貫き5000人の兵員を助けた。戦史に残る大規模撤退作戦を、日米双方の視点で描く感動の物語。

本書で描かれる
「キスカ島撤退作戦」とは?

  • アリューシャン列島地図
  • 1943年(昭和18年)5月にアッツ島で2500人以上の日本兵が玉砕した後、その東300キロにあるキスカ島に5000人以上の守備隊が取り残された。アメリカ軍にキスカ島を包囲されている状況下で、日本軍は守備隊の全撤収を試みた。「乾坤一擲(けんこんいってき)の頭の文字を取り「ケ」号作戦と名付けられた。
  1. キスカ島地図
  2. キスカ島写真

登場人物紹介

  • ロナルド・リーン

    英訳された『源氏物語』に心酔し、開戦後は米海軍の日本語学校に入学。太平洋戦線でOSS(戦略諜報局諜報員)日本語通訳官に。コテージ作戦に参加。

    ※コテージ作戦−1943年8月、アメリカ海軍トーマス・C・キンケイド少将のもと実行されたキスカ島への上陸占領作戦。
  • 菊池雄介

    戦時中、同盟通信社の外信部に属し、従軍記者としてキスカ島撤退作戦で阿武隈に乗船。戦後は朝日新聞社に勤務。

  • 樋口季一郎中将

    満州赴任時の1938年にナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人の出国を許可し、樋口の準備した脱出路はユダヤ人たちの間で「ヒグチ・ルート」と呼ばれ、後に世界から賞賛された。陸軍北方軍司令官としてアッツ島玉砕、キスカ島撤退に参加。

  • 木村昌福少将

    ミッドウェイ海戦、ビスマルク海海戦など数々の海戦に参加。ベンガル湾通商破壊戦では敵の輸送船撃沈の際に乗員を退去させてから沈める人道的配慮を取った。第1水雷戦隊司令官としてキスカ島撤退作戦を指揮。

解説より 縄田一男(文芸評論家)

題材は太平洋戦争の敗色が濃くなった昭和18年、アリューシャン列島の西にある鳴神島(なるがみとう)=キスカ島にある日本兵5200名を奇跡的に無血撤収した史実に依って書かれている。

(中略)

本書のテーマは、戦時下における命の尊さに他ならない。そして、海外の戦争冒険小説並みのエンターテインメント性を有しながら、この一巻のかなりの部分は登場人物の心の中のディスカッション小説としても読むことができる。

いわく「若い兵士たちは、天皇陛下のため命を捧げるべき、そう信じている。敗北はむろんのこと、敵の捕虜になるのも恥と考える。だが、こんな時代をつくりだしてしまった自分たちこそ、恥を知らねばならない。

守るべきもののためには戦う。それでも無益な死を見過ごせない。命の存続をこそ、人として強く求めるべきだ。

軍人にあるまじき考えかもしれない。中将となればなおさらだった。しかしこの立場でなければ救えない命が、いまの世には溢れている」。

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  • 松岡圭祐(まつおか・けいすけ)1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーになる。代表作の『千里眼』シリーズ(大藪春彦賞候補作)と『万能鑑定士Q』シリーズを合わせると累計1000万部を超える人気作家。『万能鑑定士Q』シリーズは2014年に綾瀬はるか主演で映画化され、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞し、2017年には第2回吉川英治文庫賞候補作となる。累計100万部を超える『探偵の探偵』シリーズは、北川景子主演によりテレビドラマ化された。著書には他に、『水鏡推理』シリーズ『黄砂の籠城(上・下)』『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』『ジェームズ・ボンドは来ない』『ミッキーマウスの憂鬱』などがある。

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