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『少女は鳥籠で眠らない』
あらすじ
15歳の少女に淫行をしたとして21歳の家庭教師が逮捕された。
家庭教師は示談条件である接近禁止を拒否し、起訴は免れない状況に。
困惑する新米弁護士の前に現れた被害者少女は、
弁護士を振り回し予想も出来ない行動に出る。
法と対峙して生き抜く者たちを、 現役弁護士が感動的に描く連作リーガル・ミステリ!
解説:元最高裁調査官・明治大学法科大学院教授・作家 瀬木比呂志(単行本時タイトル『黒野葉月は鳥籠で眠らない』を改題)
あらすじ
15歳の少女に淫行をしたとして21歳の家庭教師が逮捕された。
家庭教師は示談条件である接近禁止を拒否し、起訴は免れない状況に。
困惑する新米弁護士の前に現れた被害者少女は、
弁護士を振り回し予想も出来ない行動に出る。
法と対峙して生き抜く者たちを、 現役弁護士が感動的に描く連作リーガル・ミステリ!
解説:元最高裁調査官・明治大学法科大学院教授・作家 瀬木比呂志
(単行本時タイトル『黒野葉月は鳥籠で眠らない』を改題)
ライター 吉田大助氏
「黒野葉月は鳥籠 で眠らない」(講談社)は、弁護士2年生の木村を主人公に据えた連作リーガルミステリ。家庭教師先の15歳の教え子に淫行を働いたとして、逮捕・勾留された21歳大学生。乳飲み子の娘を置いて、不倫に走る妻との離婚を望むイラストレーター...。 著者は現役の弁護士だ。法律上の盲点を突く、六法全書の隅を突つくような題材選びも可能だったはずだが、ちゃんとカジュアル。小説家としての、勘の良さを感じる。
青さ全開の新米弁護士は、依頼人と密接に関わっていくうちに、彼らが隠している秘密の匂いを嗅ぎ、その欲望の強さにおののく。その瞬間、ミステリのサプライズが爆発する。やがて彼は思う、「きっと自分はこれからも、依頼人たちに嘘をつかれた り利用されたりするだろう」と。「強い意思と目的を持った人たちにとっては、弁護士も道具でしかない のかもしれない」。では、自分は無力なのか? 「誰かの役に立とうとすること、それ自体を恥じたり無駄に思ったりする必要はない」。依頼人と弁護士の関係には、何かがあるのだ。それが何なのかは、本書を丁寧に読み進めた人ならばきっと、必ず分かる。
知っているようで知らない職業の筆頭と言える、弁護士。その仕事内容とその矜持を存分に味わうことができた。
「小説新潮」書評「本の森」より