物語の語り手は、文部科学省に一般職の事務官として就職した澤田翔馬。彼は東日本大震災の仮設村で、同じく文科省から派遣されていた事務官の水鏡瑞希と出会う。彼女は、澤田の手に負えなかったとある問題を持ち前の「推理力」で鮮やかに解決するが、省庁の人間がとるべき行動ではないとして澤田ともども異動することになった。その異動先が、文科省内に設立された「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」だ。 ──大矢博子
まつおか・けいすけ 1968年、愛知県生まれ。『催眠』で作家デビュー。代表作は『千里眼』シリーズ(大藪春彦賞候補作)、『万能鑑定士Q』シリーズ、『探偵の探偵』シリーズなど。『万能鑑定士Q』と『探偵の探偵』のダブル完結編『探偵の鑑定Ⅰ・Ⅱ』を今春、講談社文庫より刊行して話題となる。本書は『水鏡推理』シリーズの第3作。