『新・水滸後伝』とは?
中国古典の大作『水滸伝』の後日譚として、17世紀に陳忱が描いた『水滸後伝』。
幾度となく読み返し、その魅力を知る田中芳樹が、原典の面白さはそのままに、よりエキサイティングな物語へと再構成。
全く新しい傑作『新・水滸後伝』を生み出す!
中国古典の大作『水滸伝』の後日譚として、17世紀に陳忱が描いた『水滸後伝』。
幾度となく読み返し、その魅力を知る田中芳樹が、原典の面白さはそのままに、よりエキサイティングな物語へと再構成。
全く新しい傑作『新・水滸後伝』を生み出す!
<あらすじ>
十二世紀の中国、北宋末期。腐敗する朝廷を倒さんと立ち上がった梁山泊集団は遼国を討ち、方臘の乱を鎮圧するも多くの好漢を亡くし崩壊した。それから数年、変わらず悪政が蔓延る中、散り散りになった生き残りたちが、不思議な縁に導かれ再会。過酷な運命に涙をのんだ者たちは熱き心を胸に再び蜂起する!
<あらすじ>
様々な戦いを経て、ついに一堂に会した梁山泊残党。彼らは新天地を求めて宋の国を飛び出し、大洋を隔てた島へと渡る。その地に理想の国を築こうとするも、圧倒的な数の兵力を率いる金軍、さらには巨大な惨禍を巻き起こす呪術を操る妖人・薩頭陀が島を襲った。好漢たちは固き志を胸に強大な敵と対峙する!
中国北東部、梁山のふもとにあった広大な沼水地のこと。
『水滸伝』でこの地に豪傑たちが立てこもったことから、豪気な人物たちや野心家の集まる場所というようになった。
2020年末、ついに「創竜伝」シリーズ完結篇『創竜伝15<旅立つ日まで>』を上梓された田中芳樹さん。ファンの皆さんの興奮冷めやらぬ中、田中さんが半世紀にわたり思いを募らせ、執筆された中国歴史伝奇『新・水滸後伝』が文庫となって登場いたします。
カバーイラストに描かれた好漢たちは、悪い権力者に敗れ、多くの仲間を失った者ばかり。ところが腐敗し続ける政治を見かね、彼らは再び反旗をひるがえします。
好漢たちのカッコよさ、圧倒的な力に挑む心、魅力的な敵、見応え十分の大活劇、人智を超えた妖術との対峙……次から次へと見どころが訪れ、楽しく読み進めることができます。
田中作品の他の大人気シリーズを読んで心が躍ったという方も多いことでしょう。本書でも同じような読書体験が待っています。
読まないなんてもったいない。『新・水滸後伝』を手にとってみませんか。
時代は中国北宋末期。高い志を持ちながらも、社会からはじき出され、梁山泊に集った豪傑108人が、民を虐げる悪い権力者に立ち向かって大活躍する熱血大河ドラマ。
日本には江戸時代に入ってきて読まれるように。江戸後期の読本作者・曲亭馬琴は『水滸伝』の構想を借り、長編伝奇小説『南総里見八犬伝』を書き上げた。
原典があるのに、あたらしく書きなおすから「新」の一字がつくわけだが、業を終えていまさら、だいそれたことをしてしまった、という思いで身がちぢむ。しかし、原典の存在を知ってもらうだけでも、恥をかく価値はある、と考えて刊行してもらうことにした。
『水滸伝』をすでに読んだ方々のみならず、そうでない方々にも独立して読める作品として書いたつもりだが、はたしてうまくいったかどうか。読んで判断していただければ、これにまさる幸いはない。
田中芳樹
(「後記」より抜粋)