1975年、台北。
偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
戦争中、内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。
なぜ? 誰が?
無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ──。
歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。
「濃さ」に圧倒、圧巻、一気読み!
田浦靖子さん(ブックファーストレミィ五反田店)あまりにも濃密で激動な半生に驚嘆。生と死、愛と誠、喜怒哀楽と物語のあらゆるファクターが詰め込まれ、久しぶりに夢中で読み進めた私の感情は波のように起伏して溺れかけた。
東山彰良、現時点で文句なく最高傑作。
こんなものすごいネタを持っているとは、この作家の底知れぬ才能にも驚かされた。
一読、度肝を抜かれました。一生、手元に置いておきたい。私たちの日常に、一片の関係も有しない(と思われる)物語が、私たちの人生に与える少なからぬ影響……。
「小説」の大いなる力を、まざまざと見せつけられた。
自分以外の人生が、自分の中に流れる感覚。
この物語は、小説にする意味がある!
面白かった! 自分の身体の中に眠っている何かを刺激された。
泣いたり、笑ったり。生きている実感を、血の流れを、私は確かに感じることができた。
いくつもの国を舞台に縦横無尽に駆け巡る青春と歴史の物語! ドラマチックな作品のスピード感が私の体に乗り移り、私の心を熱くしました。
これから青春を謳歌する人、年齢関係なく青春真っ盛りの人に強くお薦め!!
”衝撃”という言葉では軽すぎる――凄い作品に出会ってしまった――それが率直な感想だ。この作品は血と汗と涙で出来ている。時代と土地の記憶が見せてくれる奇跡の物語だ。凝縮された時の流れが圧倒的な力となって胸に突き刺さる。熱狂と冷静、希望と絶望、念願と諦念……ままならぬ運命を前に不器用にして無骨。もどかしくさすらう男の生き様に完膚なきまでに打ちのめされた。
魂に響く一冊!! とにかくシビれました。
歴史も文化も世代だってぜんぜん違うけれど、心を摑んで放さない!! 小説の醍醐味、小説を読む楽しさを再発見させてくれる作品でした。すごく楽しい読書時間でした。
内山はるかさん(SHIBUYA TSUTAYA)めまいがするほどの熱量と疾走感。
爆発する欲望、暴走する青春。すべてにおいて過剰なこの迫力! 今どきの草食系たちに読ませたいです。
ページを開けばそこはもう、台湾!!
夢中で読んだ後、すぐにもう一度読み返しました。登場人物ひとりひとりが、昔からの知り合いのように心に残っています。パワフルであたたかく、心ふるえる一冊でした。この本を読めてよかった。そう思いました!!
混沌した世界の中で生きる人間たち。『流』の登場人物たちは、皆、光っている。過去の罪、国、家族、社会のしがらみを背負い、それでも必死に生きる人の姿は、光って見えるのだ。
泥くさくて、かっこ悪くて、最高にかっこいい小説です。
これぞエンタメ!いろんな要素が盛りだくさんで、まるで幕の内弁当のようでした!
長山剛士さん(天一書房日吉店)感動した、とか、圧倒された、とか、そういう言葉で語れない、語りたくない何かが身体の細胞のひとつひとつに組み込まれてしまった。世界は血でつながっている。親から、親の親から、ずっとつながって身体の中に流れる血。けれどその血はいつもずっと流れつづけ、入れ替わりつづけている。足元さえ見えない暗闇で自分を見失いさまよっている人がいたら、これを読むといい。
一人で生まれて、一人で生きているなんて思うなよ、って。
秋生のバカなところ、まっすぐなところがたまらなく愛おしい。
じいちゃんの死の謎から始まる青春の日々。家族や国、戦争という歴史もふくんで壮大で複雑。でも秋生とともに一気に駆け抜けました。圧倒的な熱量で迫ってくる物語。
台湾の古い映画を観た時のような路(ルー)の古びてごみごみした光景や、にぎやかな音、そして悪臭が漂ってきているような感覚をおぼえ、大切なものがそこにある気がしました。
三瓶ひとみさん(丸善丸の内本店)百田尚樹さんの『錨を上げよ』を読んだ時に感じた大きな時代のうねりのようなものを、この作品を読んだときにも強く感じました。その場その場で流されているようでもあり、けれど自分の中の、もっと強い何かに突き動かされているようでもあり。
その大きなうねりが、今この時代にも来ているのではないだろうか?そう感じました。
すごく面白かったです。主人公はもちろん、登場人物たちの汗の匂いまで感じるような話を読んで行くに連れ、気が付くとどっぷりとその世界に浸かっていました。戦争と国と時代、その人に流れる血に翻弄されながらも、しかと生きていく人たちの凄みを感じずにはいられなかった。
鍋倉仁さん(戸田書店仕入部)初めて東山さんの作品を読みました。なぜ今まで読まなかったのだろう、と思いました。
読み終えたあと、私の中で何かがざわめくのを感じました。
かつての台湾、そこに生きる若者たちの物語。歴史、国家、そういう大きいものは自分とは無関係である。そう思い込んでいた、思おうとしていた自分を消し去る一冊。
大西建文さん(あおい書店川崎駅前店)台湾旅行が大人気の昨今、私たち日本人は意外な程にこの国の歴史を知らないまま過ごしている。著者はそんな私たちにこの作品を突き刺してきた。
藤村結香さん(宮脇書店本店)壮大な物語を読まされた気分。読ませてもらったというのが正しいのだけれど、映像のようにあれよあれよという間に読み進めてしまった。その場に自分がいたみたいでした。
寺田結美さん(谷島屋イオンモール浜松志都呂店)この抑えがたい衝動はどこから来るのだろう。血がそうさせるのか? はたまた時代か?疾走感がたまらない傑作です。
近頃はこういう作品はなかなか生まれにくい時代なのではないかと思います。そんな中、こういう作品を書いてくれる作家がいて、出版してくれる出版社があるのはなんだか嬉しく感じました。
東山彰良さんの現時点での到達点ではないでしょうか。青春小説の傑作。友人に薦めたいです。かっこ悪いけどかっこいいとは、まさにこのこと!
河井洋平さん(紀伊國屋書店玉川髙島屋店)