世のため人のため、若き飛脚たちは燃えさかる秩父山中を駆ける。飛脚問屋と力のせ飯屋の物語──。
世のため人のため、若き飛脚たちは燃えさかる秩父山中を駆ける。飛脚問屋と力のせ飯屋の物語──。
飛脚を主人公にしたシリーズは前から書きたいなと思っていました。出久根達郎さんの「おんな飛脚人」シリーズなどはありますが、あまり作例がないですし、飛脚ならランナーとして培ってきた知識も活かせるのではないかと考えたのです。ですから、打ち合わせの際に担当さんから「飛脚」というテーマが出たときは思わず身を乗り出しました。そんなわけで、作者も乗って書いたシリーズの開幕です。老舗のランニングクラブに「大江戸飛脚会」がありますが、こちらは大江戸「秘」脚便です。なぜ「秘」が用いられているのか、それは読んでのお楽しみということで。もう一つ、私は翻訳も手がけていたのですが、その技を使ってランニング用語を江戸の言葉に直す作業は楽しいものでした。そのあたりもお楽しみいただければ幸いです。
走る小説家倉阪鬼一郎現代語 | 大江戸 | |
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ランナー | 走り手 | |
ゼッケン | 布切れ | |
ファイト | 気張れ | |
スポンサー | 銭の出し手 | |
ラストスパート | 終い上げ | |
ゴールテープ | 終いの細横幕 | |
ストライド走法 | 大走り | |
ピッチ走法 | 小走り | |
フォアフット | 足先走り | |
ビルドアップ | 尻上がり走り | |
インターバル(レペティション) | 休み入れ走り | |
シャープナー(ダッシュとジョグの連続トレーニング) | 刃磨き | |
LSD(ロング・スロー・ディスタンス・トレーニング) | 長遅走り | |
カーボ ローディング(グリコーゲン貯蔵法) |
力のせ |