講談社文庫

書下ろし『朽海の城 新東京水上警察』吉川英梨

人質は東京湾!

大人気「新東京水上警察」シリーズ最新作、著者が全身全霊を注ぎ込んで描いた日本の「危機」。
著者メッセージ

昨年9月からスタートした新東京水上警察シリーズ。お陰様で3作目となりました。登場人物と舞台は変わりませんが、一話完結で3作品とも全く別の事件を取り扱っています。

1作目『波動』では介護施設の問題を、2作目『烈渦』では都心に於ける水害問題を扱い、今回の3作目では豪華客船を舞台に、いま日本人が最も目を反らしている、ある“危機”を扱っています。

私自身、この題材を扱う上で当事者から発せられる全ての言葉が私自身に跳ね返ってきている、という感覚がありました。それで私は、どうあるべきなのか。ただただ、自戒を込めて書き上げたというより他、ありません。

このシリーズの作品を構築する上で、意識していることが3つあります。

  1. 東京湾岸地域を舞台としたスリリングな物語に仕上がるか。
  2. 現代日本が抱える問題を内包しているか。
  3. 2020年東京オリンピックが題材と絡むか。

当初、この“危機”は東京オリンピックとは相容れないと思っていました。いまの私の知識、力量では到底扱えないという思いもあり、何度も題材を変えようと思いました。

せめて、ある程度の参考文献を集めてから判断しよう。そう思った1冊目の文献の冒頭でいきなり『2020年東京オリンピック』の文字を見つけたとき、私はもうこれを書けという天命を受けたと思いました。仰々しい言い方ですが。

豪華客船上で繰り広げられる極上のエンターテイメント。その隙間から漏出する、現代日本に住む私たちが直面しているあの“危機”に、もっともっと目を向けていただきたいと、作者は願ってやみません。

  • 吉川英梨(よしかわ・えり) 1977年、埼玉県生まれ。2008年に『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー。著書には、「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズ(『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』から最新刊『警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 通報者』まで既刊8冊)や『ダナスの幻影』『葬送学者 鬼木場あまねの事件簿』などがある。『ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一』はミステリー評論家・野崎六助、香山二三郎の賞賛を受けた。取材力に優れエンタメ魂に溢れる期待のミステリー作家。本作は「水上警察」シリーズの第3作。 
登場人物紹介
  • 碇拓真

    五港臨時署刑事防犯課強行犯係・係長、警部補

  • 日下部峻

    五港臨時署刑事防犯課強行犯係・主任、巡査部長

  • 高橋宗司

    五港臨時署刑事防犯課・課長、警部

  • 藤沢充

    五港臨時署刑事防犯課強行犯係、巡査部長

  • 細野由起子

    五港臨時署刑事防犯課強行犯係、巡査部長

  • 遠藤康孝

    五港臨時署刑事防犯課強行犯係、巡査

  • 玉虫肇

    五港臨時署・署長、警視

  • 和田毅

    東京湾岸警察署刑事課強行犯係・係長、警部補

  • 牧田大輔

    東京都知事主任警護員(SP)、警部補

  • 有馬礼子

    五港臨時署舟艇課配船第二係、主事

  • 鷲尾賢一郎

    東京都知事

  • 鷲尾聡二郎

    東京都知事特別秘書官

セレナ・オリンピア号船内図
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