同じ大学に通う新城と溝口はコンビを組み、「メリーランド」としてデビューしたが、一向にブレイクの兆しが見えない。一方、先輩トリオ・ナカノシマは中嶋の彼女が妊娠、解散の危機が訪れる。そんなとき、社長よりオーディション番組の話が伝えられて……。若手芸人達の苦悩と前進を鮮やかに描ききる、人気シリーズ第3弾。
たまたま見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、事務所の研修生になった新城。コンビを組んだ溝口との厳しい稽古を経て初舞台に立ち、社長からギャラとして「千円」を渡されるが……。弱小お笑いプロダクションを巡る面白き人々の人間模様を、誰にも書けない筆致で描く連作短編集、第2弾!
大学2年生の新城は、親友に誘われて見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、その日のうちに芸人を志す。漫才の相方探しをするうちに、女芸人の津田ちゃんから、同じ大学に通う溝口を推薦されるが……。弱小お笑いプロダクションを巡る愛すべき人々を、誰にも書けない筆致で紡ぐシリーズ第1弾!
20代の後半はずっと「小説家になりたい」とだけ考えて、日々生活をしていた。アルバイトをして、新人賞に投稿する小説を書き、本を読む。その繰り返しで、友人とは連絡を取らなくなった。遊んでいる時間がなかったというのもあるが、いい年して夢を追っていることを恥ずかしく感じ、批判される気がしていた。「小説家になれるはずがない」とも思っていた。諦めた時、かっこ悪く思われない言い訳を探した。新人賞をいただき、小説家になったのは31歳の時だ。
久しぶりに会った友人は「すごく心配だった」と話し、本が出たことを喜んでくれた。かっこ悪く思われたくないと考えていた自分のかっこ悪さに気づかされた。
夢を追うことは、素晴らしいことです。苦しいことです。そして、夢を諦めることは惨めなことではありません。『南部芸能事務所』が誰かの背中を押す一冊になることを願っています。
メリーランドの先輩。コントを主にやっている。中野と新城は仲がいい。
同じ大学に通っている。新城が誘い、コンビを組む。
お笑いブームの頃に人気があったが、解散。
若い頃は芸人を目指していた。
漫談家。南部社長の元相方。
ものまね芸人。アイドル並みにかわいい。
事務のアルバイト。メリーランドの二人と同じ大学に通っている。溝口に片想いしてふられた。
業界最大手の事務所に所属。メリーランドと同期でライバル。
新城の親友。津田の彼氏。
新城の彼女。