講談社文庫

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『町くらべ 
公家武者信平(十四)』

かわら版で町の評判が決まる⁉ 
信平の町づくりに新たな試練!

拝領した鷹司町の治安が落ち着いたのもつかの間、とある読売が話題をさらう。町の番付に騒ぐ善衛門に信平は一考し、働く場を増やすべく職人の誘致に乗り出す。だが世に悪事尽きず。高津藩家老・中村伝太夫は読売騒ぎを悪事に使おうと企む。町を住人を守れ、実在した傑人を描く大人気時代小説〈文庫書下ろし〉

次々刊行、公家武者の世界!
2024年信平の冒険はまだまだ続く!
「公家武者信平(十五)」乞うご期待!

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『暁の火花 公家武者信平ことはじめ(十六)』

幕敵を前に秘剣煌めく

筑前朝倉藩大名行列襲撃さる。藩主の長章は重傷を負った上、信平を襲った曲者は朝倉藩との縁を匂わせる。だが信平は裏に宿敵・神宮路の陰謀を感じ、長章に面会を申し出るが。進む二条城の襲撃計画、信平を絡め取る陰謀に秘剣・鳳凰の舞が煌めく。実在した傑人を描く大人気時代小説、ことはじめ編完結!

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著者略歴

佐々木裕一(ささき・ゆういち)

1967年広島県生まれ。2010年に時代小説デビュー。「公家武者 松平信平」シリーズ、「浪人若さま新見左近」シリーズのほか、「身代わり若殿」シリーズ、「若旦那隠密」シリーズ、「若返り同心 如月源十郎」シリーズなど、痛快な面白さのエンタテインメント時代小説を次々に発表している人気時代作家。本作は公家武者・松平信平を主人公とする人気シリーズ。

モデルは実在の公家侍!

実在の「公家武者」松平信平

1636年、公家としては最高の家格の鷹司家に生まれる。15歳で江戸へ下り、徳川家光から歓迎され武士となる。徳川家綱の計らいで紀州徳川家の娘・松姫と契りを交わし、それから松平家を称した。

これぞ、国民的シリーズ!

内田剛

次々と襲いかかる賊と罠……。

生と死、光と影の交錯もあまりにも眩く、息もつかせぬ展開にページをめくる手が止まらない。深き情は脈々と貫かれ悪を断ち切る剣が唸る。

すべては世のため正義のために、ますます佳境の『公家武者』は”国民的シリーズ”への道をひた走る!

主な登場人物

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解説 細谷正充(文芸評論家)

 多数の文庫書き下ろし時代小説シリーズを抱え、大活躍をしている佐々木裕一だが、その代表作は松平信平を主人公にしたシリーズといっていいだろう。2011年に、二見時代小説文庫から『公家武者 松平信平 狐のちょうちん』を刊行。人気を獲得すると、すぐにシリーズ化されたのである。

 このシリーズは、公家から武士になった鷹司(松平)信平が悪を斬る、痛快時代エンターテインメントだ。公家・鷹司信房の四男の信平。庶子であるため門跡寺院に入るしかなかったが、坊主になるのを嫌い、十五の時に江戸に出た。徳川三代将軍・家光の正室になっていた姉の孝子を頼ってのことである。家光より五十石の禄高と、深川に土地と屋敷を与えられた信平。貧乏旗本として、新たな暮らしを始める。

 さらに、紀州藩主・徳川頼宣の愛娘の松姫と、目出度く夫婦になったふたりだが、千石の旗本になるまでは一緒に暮らしてはならないと頼宣にいわれてしまった。複雑な立場にある信平は、なにかと騒動にかかわることが多く、その渦中で剣を振るい悪を倒す。京にいたとき、道謙という師に厳しく鍛えられた信平は、鳳凰の舞という秘剣を使う剣豪であったのだ。やがて禄高も千石を突破し、松姫と一緒に暮らすようになった信平。福千代という一子を得る。頼もしい仲間も増えた。

 といった調子で進展していた「公家武者 松平信平」シリーズは、幕府転覆を企む神宮路翔を倒した、第16弾『暁の火花』で、一旦、完結する。しかし、すぐさま「公家武者 信平」シリーズとして、セカンド・シーズンが開幕した。出版社を講談社に変更し、2017年10月、『公家武者 信平 消えた狐丸』が刊行されたのである。

 物語は『暁の火花』の3年後から始まる。神宮路に攫さらわれた過去を忘れられない松姫が魘うなされることもあるが、幸せな日々を過ごしている信平一家。しかし剣客を狙う辻斬りが出没すると知り、持ち前の正義感がよみがえる。かくして信平は、愛刀の狐丸を手に、再び悪党を退治するのだ。そして第2弾『逃げた名馬』のラストで、さらに加増を受けた信平は、高家となる。将軍・家光からは、自分の代わりに宮中へ参内するよう頼まれた。

 これを受けて本書の第1話「比叡山の鬼」では、信平が上洛する。ところが京の都では、新たな騒動が起きていた。公家の朝姫が、何者かに攫われたのだ。しかも陰陽師・加茂光行の孫娘の光音の予知によりいち早く事態を知り、これを防ごうとした道謙が斬られ、重傷を負った。道謙より朝姫救出を依頼された信平は、光音の予知に従い、比叡山へ向かう。だが、公家らしき正体不明の一団も、朝姫を捜しているようだ。朝姫を攫った綾辻将仁と会い、意外な事実を知った信平。互いに想い合う、朝姫と将仁のために、真の敵に立ち向かうのだった。本書の前半は京都篇であるが、あの道謙が斬られるというショッキングな冒頭から、ストーリーはノンストップ。でも、このスピーディーな展開が、かえってストーリーを色濃いものにしている。一気読みの面白さを堪能できる最新刊だ!


『比叡山の鬼 公家武者信平(三)』解説より一部抜粋

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佐々木裕一 『『暁の火花 公家武者信平ことはじめ(十六)』』 佐々木裕一 『『暁の火花 公家武者信平ことはじめ(十六)』』

『神宮路との戦いの果てに信平への果たし状』

あの三年間、信平に何があったのか? 読者待望の特別書下ろし短編

「わたしに勝ったと思うな、信平」

 神宮路翔が血走った目を見開き、不気味に笑う。

「お前の大切な者を奪ってやる。思い知るがいい」

 神宮路が雲切丸を振り上げ、松姫を斬った。

「松!」

 信平は目覚めて顔を上げた。静寂に包まれ、日差しの中で輝く池があり、美しい庭が広がっている。

 昨夜眠れなかったせいか、ついうたた寝をしてしまい、悪い夢を見たようだ。

 信平は安心して息を吐き、月見台から下がった。

 奥御殿に渡り、松姫の部屋に行くと、福千代を眠らせたところだった松姫が、信平に微笑んだ。

 床から出て身なりを整えている松姫に、信平も微笑む。

「無理をしていないか」

「はい。今日は、気分がようございます」

「ふむ」

 信平はそばに座り、福千代の小さな手を触った。

「今朝、城から沙汰があった。しばらく登城を免除され、御役目も免ぜられる」

 松姫は信平に、悲しそうな眼差しを向けた。

「わたくしのために、ご出世を断られたのですか」

 信平は首を横に振った。

「麿が、そうしたいのだ。これからは、いつもそばにいる」

 松姫の手をつかみ、引き寄せた。

「疲れた顔をしている。昨夜も眠れなかったのであろう」

「福千代が夜泣きをしますので」

 だと、信平は分かっている。松姫は、信平と同じような悪夢に悩まされ、怯えて眠れないのだ。

 神宮路に連れ去られ、両国橋の上で殺されかけたことが昨日のように目の奥に映り、松姫を苦しめている。

「少し休め。麿がそばにいる」

「はい」

 明るい昼間に、信平の腕に抱かれて安心したのか、松姫は程なく、寝息を立てはじめた。

 信平は松姫をそのまま寝させてやり、愛する人と共にいられる幸せを噛みしめるのだった。


 こうしているあいだも、江戸市中では、老中・稲葉美濃守の主導による、神宮路一党の探索がおこなわれている。

 神宮路翔という巨頭を失い、核となる者もいない一党は、今や離散しているのだが、美濃守は残党狩りの手を緩めず、江戸のみでなく、関八州、京、大坂へと探索の手を広げ、神宮路に加担していた者と判明すれば、容赦なく処刑した。

 それにより、主だった者はいなくなったのだが、一部の者たちがふたたび江戸市中に潜伏しているという噂が流れ、町奉行所は南北総がかりで、身元が確かでない者のあぶり出しをはじめた。

 中には、下っ端でも剛の者がおり、役人を斬殺して逃げ、商家を襲って金品を奪うなどしたので、市中は一時、混乱の極みに達した。

 そこで、剛の者を取り押さえるべく、信平は先日美濃守に召し出され、五千石の役料と共に、与力五十騎、同心八十名を束ねる市中改役を打診されたのだが、

「ご期待に沿えませぬ」

 と、辞退した。

 美濃守は、これはおぬしと、おぬしの大切な家族の命に関わることだ、と、厳しい態度を見せたが、信平は応じない。

 あきらめない美濃守は、三日だけ考える猶予を与えようとしたが、信平は頑なに拒み、赤坂に帰ったのだ。

 このことは、本丸に詰める者から信平の舅である紀州大納言頼宣に伝わり、重く受け止めた頼宣は、ただちに将軍家綱に拝謁を求め、美濃守殿は、功労者である信平を殺す気かと訴えた。

 決定事項ならば、いかに頼宣が訴えても覆すことは叶わなかっただろう。

 信平を案じていた家綱は、美濃守に取り下げるよう申しつけたのだが、美濃守はその場に平伏し、一人、厄介極まりない男がいることを告げた。

 名を、神宮路明楽という若者は、神宮路翔の実の弟で、この者は名を変えて江戸に入り、二人の家来と共に身を潜めていた。

 驚いた家綱と頼宣に、すでに、名うての剣客を五名殺され、もはや信平のほかに、神宮路明楽を倒せる者はいないと、美濃守は訴えたのだ。

 だが頼宣は、神宮路明楽の名が世に聞こえていないことを不審に思い、問い詰めた。

 すると美濃守は、明楽が神宮路翔の弟だという事実を隠し、一党の中でも下っ端の浪人として潜伏しているからだと告げた。

 明楽の狙いはただ一つ、兄の仇である信平の命。

 頼宣は焦った。松姫がふたたび狙われるのではないかと思ったのだ。

 娘を案じる頼宣に、美濃守はこう言った。

「市中改役は、むしろ信平殿を守るためでございました。役を受け、配下の者たちと神宮路明楽を討つよう申したのですが、どうしても受けませぬ」

 頼宣が怒った。

「婿殿は何を考えておるのだ」

「もはや神宮路には関わりたくないと申し、聞きませぬ。屋敷に現れれば即座に成敗すると申しますので、やむなく帰しました」

 頼宣は言葉を失い、家綱は、信平を守るためにできるだけのことはいたせ、と、美濃守に命じた。

 日陰がある縁側に座っている信平は、目を閉じて、静かに思いをめぐらせている。美濃守に言われるまでもなく、この時すでに、明楽のことを知っていたからだ。

 何げない文に見せかけた果たし状が届けられたのは、登城をする朝のことだった。


 御屋敷に忍び込み、お命をちょうだいせんと思えば、容易くでき申した。なれど、それがしは兄、神宮路翔のごとき卑怯なまねはいたしませぬ。

 剣の道を志す者として、あなた様と剣を交え、兄の仇を打ちとうござる。

 明後日の明け六つ。目黒川新橋を渡った先にある荒れ寺にてお待ち申し上げる。

 一刻過ぎてもお姿なき時は、改めて、お命をもらい受けに御屋敷にまいる所存。

 その折は、奥方とお子のお命もちょうだいつかまつる。

 なお、決闘の場にはお一人でまいられるよう、申し上げる。

神宮路明楽


※この続きは2月15日刊行の講談社文庫『逃げた名馬 公家武者 信平(二)』をお読みください。

▼ 内容を読む

公家武者信平シリーズ公家武者信平シリーズ
  • 町くらべ公家武者 信平(十四)

    拝領した鷹司町の治安が落ち着いたのもつかの間、とある読売が話題をさらう。町の番付に騒ぐ善衛門に信平は一考し、働く場を増やすべく職人の誘致に乗り出す。だが世に悪事尽きず。高津藩家老・中村伝太夫は読売騒ぎを悪事に使おうと企む。町を住人を守れ、実在した傑人を描く大人気時代小説〈文庫書下ろし〉

  • 姉妹の絆公家武者 信平(十三)

    将軍より新たに町を拝領した信平。しかし、鷹司町の実情は問題だらけ。
    路地の迷い女児、言うことを聞かぬ商人や無気力な者ばかりの長屋など、民の悩みに信平が一肌脱ぐ。そして信平と松姫に新たな家族が 。町を治め、発展させよ。人情あふれる新展開! 実在した傑人を描く大人気時代小説!〈文庫書下ろし〉

  • 決着の鬨公家武者 信平(十二)

    敵は金峰山にあり。布陣の背後を突いた徳川方は伏兵に遭う。暗躍する仇敵・銭才は江戸に向かうと同時に、先帝の血を引く薫子と信平を引き離す卑劣な策略を仕掛ける。狼狽える民、揺れる江戸城、遂に全貌を現す剣豪十士 。巨魁との永きに渡る戦いの決着は今! 実在の傑人を描く傑作時代小説!〈文庫書下ろし〉

  • 雲雀の太刀公家武者 信平(十一)

    ついに信平と仇敵・銭才対面す
    江戸幕府転覆を企図する銭才の狙いが朝廷にあることを見定めた一行。信平は陰陽師の光音に、先帝の血を引く薫子の居場所を探るよう命じる。一方、敵方の将・肥前の隠した意図も絡み合い、両雄の相まみえるときは、今! 実在の傑人を描く傑作時代小説!

  • 宮中の誘い公家武者 信平(十)

    皇軍の胎動、京にあり。ともに戦った忠興の御家断絶を憂う信平は、処分に関わる陸奥井田家に潜む刺客衆・赤蝮を知らされる。善衛門がその裏に潜む銭才の陰謀を探る。同じ頃、信平の息子・信政に京から誘いあり。いまだ十四歳の彼への極秘依頼は、帝に関わる潜入の任で! 実在の傑人を描く大定番の時代小説、新次元へ!

  • くもの頭領公家武者 信平(九)

    日ノ本中に散った三万の忍び「蜘蛛」を束ねる頭領を探せ。 公儀にたてつき謀反の疑いのある井田家に対抗するため、菱という名の忍びの頭領に会うべく会津に入った信平と茂木。二人を待っていたのは京の魑魅・下御門の手下と、刃に塗られた名も知れぬ毒だった。実在の傑人を描く大人気時代小説、更に白熱!

  • 若君の覚悟公家武者 信平(八)

    ついに姿を現した京の黒幕・下御門。 警戒する信平のもとに、江戸を騒がせる木乃伊の秘薬の噂が舞い込む。良薬か、金儲けか。若き藩主・忠興が倒れるなか、信平は薬を疑う医師に目をつける。将軍も頼る保科正之の逝去に、大名行列の襲撃。下御門の巨大な陰謀の目的とは? スケールアップが止まらない時代活劇!

  • 帝の刀匠 公家武者 信平(七)

    帝の刀匠公家武者 信平(七)

    戦国時代の名刀・露斬りの出物が同時に二本現れた。本物は大名が買った二千両の刀か、二百両の与力の刀か? 信平は切れ味比べに立ち会うが、贋作は本物に勝るほどの最上品だった。なぜか刀を鍛えぬ謎の鍛冶職人が何者かに拉致され、信平が向かうは愛息・信政の修行先、京。黒幕はどこにいる?

  • 赤い刀身 公家武者 信平(六)

    赤い刀身公家武者 信平(六)

    信平を美しい公家の姫が訪ねる。客間に籠もり夜更けまで話し込む二人の関係を心配する妻の松姫。幼馴染の信平を頼り、ひとり京から江戸に来た女・西園寺薫に何があったのか? 愛息・福千代の元服と将軍・家綱への拝謁を控え、緊迫した空気が漂う松平家。どこからでも読めるエンタメ度満点の大人気時代小説!

  • 狙われた旗本 公家武者 信平(五)

    狙われた旗本公家武者 信平(五)

    信平の後ろ盾として心強かった義父・徳川頼宣は、春の訪れを前に静かに世を去った。祖父を慕っていた福千代の悲しみは深く、信平は気分一新のため福千代に馬を与え領地の視察に赴かせる。逗留先に着いた矢先、道に倒れていた女を匿う福千代。業物の剣を持つ美しい女は何者なのか? 面白さ迫真の時代活劇!

  • 公卿の罠 公家武者 信平(四)

    公卿の罠公家武者 信平(四)

    信平の領地、岩神村に非常事態が連続する。青々とした稲が枯れ、代官は毒を盛られ、米盗みの疑いで村民が捕らえられる。隣村を預かる旗本が詫びの印として求めたのは、信平の隠居か鷹司家秘蔵の陶器だった。やむを得ず公儀に内密で領地へ赴く信平を更なる試練が襲う。「公家武者シリーズ」面白さ倍増の第4弾!

  • 比叡山の鬼 公家武者 信平(三)

    比叡山の鬼公家武者 信平(三)

    将軍の命により信平は久しぶりに上洛、帝から将軍家との縁を一層深めよとの激励を受ける。しかし、師匠の道謙は剣鬼に斬られ床に伏せていた。信平は道謙の孫の女陰陽師・光音の導きで、剣鬼・左門が潜むという比叡山に入る。立て続けに現れる刺客、信平を嫉妬する者の画策……時代小説の醍醐味溢れる第3弾!

  • 逃げた名馬 公家武者 信平(二)

    逃げた名馬公家武者 信平(二)

    信平の下城中、とんでもない暴れ馬が現れ街は騒然、逃げる馬を怪力の家臣・佐吉がやっとの事でつかまえる。馬の持ち主は無役の貧乏旗本、馬が暴れた真相は如何に? 特別短編「神宮路との戦いの果てに」収録!

  • 公家武者 信平 消えた狐丸

    公家武者 信平消えた狐丸

    公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから3年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る!

  • 公家武者信平[ことはじめ]シリーズ 公家武者信平[ことはじめ]シリーズ
  • 暁の火花公家武者信平ことはじめ(十六)

    筑前朝倉藩大名行列襲撃さる。藩主の長章は重傷を負った上、信平を襲った曲者は朝倉藩との縁を匂わせる。だが信平は裏に宿敵・神宮路の陰謀を感じ、長章に面会を申し出るが。進む二条城の襲撃計画、信平を絡め取る陰謀に秘剣・鳳凰の舞が煌めく。実在した傑人を 描く大人気時代小説、ことはじめ編完結!

  • 魔眼の光公家武者信平ことはじめ(十五)

    松姫を狙うも囚われた刺客・亮才、脱獄す。安息の間もなく、備後布田藩の鉄山に異変。武器密造の疑惑に、信平は狩衣と烏帽子を脱ぎ捨て、変装での潜入を決行する。愛しい妻と幼子を江戸に残した船旅の先に末のは、瞳に魔眼の気配を宿した妖しき女だった。

  • 将軍の首公家武者信平ことはじめ(十四)

    江戸城へ諸大名が登城する朔日。宗之介と名乗る若者が大手門を襲撃。居合わせた信平が退けるも、男は余裕を残して逃げおおせる。善衛門いわく、腰に下げた金瓢箪が異彩を放つ彼の者は、豊臣にゆかりがあるらしく。徳川幕府の転覆を防ぐべく、信平立つ!

  • 赤坂の達磨公家武者信平ことはじめ(十三)

    元江戸家老・月山典檀、襲撃さる。信平の家臣である千下頼母の恩師であり清高そのものの彼が、なぜ狼藉者に狙われたのか。信平は助力を申し出るが、典檀は口を噤むばかり。裏には、備中成井藩政に関わる、とある疑惑があった(『赤坂の達磨』)。 実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第十三弾!

  • 領地の乱公家武者信平ことはじめ(十二)

    子が生まれ、秋穂が実る。鷹司松平信平は出世にともなう新領地の視察と家臣集めへ向かう。舞い込んだのは加藤因幡守負傷の報。背中の矢傷には、氏の醜聞が関係しているらしく(『あくび大名』)。豊作の村に乱の気配も漂い、信平の器が試される。実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第十二弾!

  • 乱れ坊主公家武者信平ことはじめ(十一)

    旗本となった鷹司松平信平の妻・松姫は子を宿していた。
    夫に心配をかけまいと気丈に振る舞う松姫に、京の信平は薬と林檎を送る(「林檎の香り」)。
    多額の借金を抱えた旗本の妹がさらわれた。疑わしいのは、あろうことか寺の和尚で(「乱れ坊主」)。実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第十一弾!

  • 宮中の華公家武者信平ことはじめ(十)

    三千石の加増を受けて、大身旗本となった信平。京屋敷を賜ったため、松姫とは住み別れてしまう。辻斬りと強盗が増える都へ向かう道中、所司代に毒矢が射向けられたとの報が入る。急ぐ足を阻むように、暴れ川と名高い大井川に濁流が押し寄せる。実在した公家武者の爽快無比な立心譚、始まりの物語第十弾!

  • 将軍の宴公家武者信平 ことはじめ(九)

    四代将軍家綱の御台所顕子女王暗殺の謀あり。将軍の宴を汚すは天下の一大事。信平は情報源の公家・千田有能に協力を求めるが、どうやら元公家の信平に二心があるらしく……。宴に沸く庭園、進む武舞と迫る危機に信平の秘剣が瞬く!(「将軍の宴」)

  • 黄泉の女公家武者信平 ことはじめ(八)

    江戸を騒がせた女盗賊・蛇の権六の首が忽然と消えた。その後、権六の亡霊による襲撃事件が多発。真偽を確かめるため同心の五味は、信平に話をもちかける。
    信平は権六が黄泉から戻った者かを確かめるため屋敷で迎え撃つことを決意する!(「黄泉の女」)

  • 十万石の誘い公家武者信平 ことはじめ(七)

    息子を江戸大火で喪った但州岡村藩主の松平丹波守直定が跡継ぎ候補として見出したのは、まさかの信平だった。 妻の松姫を想う信平は十万石の大名になれる養子縁組の誘いを即座に断るが、そのまま座敷牢に監禁されてしまう!(「十万石の誘い」)

  • 妖し火公家武者信平 ことはじめ(六)

    江戸城天守閣、焼失。信平は赤坂御門内に拝領したばかりの屋敷を失い、妻・松姫は城下の惨状に心を痛めて寝込んでしまう。荒れる城下を鎮めるため、将軍家綱に金千両を与えられた信平は、その金子を焼け出された民に使うよう伝える(「妖し火」)。実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第六弾!

  • 千石の夢公家武者信平 ことはじめ(五)

    信平の鷹司松平家、御家断絶の噂走る。部下は慌てふためき、離れて暮らす妻の松姫は信平とともに暮らせることを期待する。しかし、公家の立場を捨てた信平は京に未練はなく、かくなる上は野に下っても武士として生きる決意を固める(「千石の夢」)。実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第五弾!

  • 暴れ公卿公家武者信平 ことはじめ(四)

    京都所司代を歴任した傑士、襲撃さる。賊は狩衣を着ていたそうだ。公儀に取り調べを受ける信平は、修行時代に出会った板倉に疑いを晴らしてもらう。だが新たに嫌疑を向けられたのは、死罪となったはずの浪人だった。秘剣誕生の過去に迫る江戸騒動(「暴れ公卿」)。実在の公家武者の立身譚、始まりの物語第四弾!

  • 四谷の弁慶 公家武者信平 ことはじめ(三)

    四谷の弁慶公家武者信平 ことはじめ(三)

    時の将軍・家綱より拝領した刀を奪われる四谷の弁慶事件が勃発。信平は三千石旗本の大隈家を助けるため、刀を取り戻そうと動き出す。離れて暮らす妻の松姫を江戸の屋敷に迎えるためにも、名刀・狐丸を腰に差し神出鬼没の男を追う(「四谷の弁慶」)。実在した公家武者が江戸を守る時代小説、始まりの物語、第三弾!

  • 姫のため息 公家武者信平 ことはじめ(二)

    姫のため息公家武者信平 ことはじめ(二)

    京都の公家から江戸の武家へ。前代未聞の転身を遂げた信平。婚儀を結んだ妻・松姫は紀州徳川家の姫君だった。藩主は信平が千石取りの旗本になるまでは輿入れをさせない心づもりだが、松姫はひと目見た信平を忘れられず……!(「姫のため息」)実在の公家武者が秘剣で成り上がる時代小説、始まりの物語第二弾!

  • 狐のちょうちん 公家武者信平 ことはじめ(一)

    狐のちょうちん公家武者信平 ことはじめ(一)

    15歳の公家・信平は仏門に入ることを嫌い、将軍・家光の正室である姉の孝子を頼って江戸に出た。五十石の貧乏旗本暮らしを始めた信平は、清き心と秘剣の腕で、江戸を大きく揺り動かしていく。公家から名門・鷹司松平家を立ち上げた実在の傑人を描く大人気シリーズ、その始まりの物語が大幅に加筆し登場!

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