講談社文庫

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陽昇る国、伊勢 古事記異聞 陽昇る国、伊勢 古事記異聞

最新刊
陽昇る国、伊勢 古事記異聞

鬼統べる国、大和出雲 古事記異聞

あらすじ

「伊勢を知らぬ、出雲の半分しか分からん」日枝山王大学民俗学研究室の院生・橘樹雅は、学会出席のために三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行し、伊勢を訪れる。男神仕様なのに女神を祀る神社、御神籤、注連縄など伊勢神宮にない五つのもの。伊勢の神の正体とは!?

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古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲

鬼統べる国、大和出雲 古事記異聞

あらすじ

杵築大社から始まった橘樹雅のフィールド・ワークは大詰めを迎えていた。 大神神社の主祭神・大物主神が素戔嗚尊同様「出雲」の神だと聞いた雅は、在野の研究者・金澤千鶴子とともに奈良に出雲族の痕跡を探し求める。二人を監視する何者かの不穏な動き。大和に存在した出雲村と野見宿禰伝説が雅を真相へ導く。

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古事記異聞 京の怨霊、元出雲 高田崇史

京の怨霊、元出雲 古事記異聞

あらすじ

橘樹雅は研究テーマ「出雲」を追い、京都を訪れる。かつて出雲族の集落があったという下鴨神社の周辺には“怨霊の寺”出雲寺をはじめ、出雲路橋、出雲井於神社など今も出雲だらけ。糺の森で起きた殺人事件を機に「言霊」の力を理解した雅は、朝廷がまつろわぬ民=出雲族にかけた「呪い」の正体を解き明かす。

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古事記異聞 オロチの郷、奥出雲 高田崇史

オロチの郷、奥出雲 古事記異聞

あらすじ

出雲でのフィールド・ワークを終えた橘樹雅は、「出雲の本質は奥出雲にある」という指導教官・御子神伶二のひと言で、奥出雲へ向かうことに。調査を進めるうちに「縁結び」の神々の地だと思っていた出雲の印象が変わっていく。
八岐大蛇の正体に気づいた雅は、正史に書かれない敗者の残酷な運命に戦慄する。

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古事記異聞 鬼棲む国、出雲 高田崇史

鬼棲む国、出雲 古事記異聞

あらすじ

民俗学研究室に所属する橘樹雅は、指導教官の御子神伶二に研究テーマ・出雲について「殆ど理解できていない」と厳しく指摘される。傷つきながら現地へ旅立った雅は、出雲大社、佐太神社などを巡るうちに『記紀』の伝える出雲神話に疑問を持ちはじめる。神話に隠された「敗者の歴史」を描く歴史ミステリー。

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『陽昇る国、伊勢 古事記異聞』刊行記念 高田崇史さんコメント』 『陽昇る国、伊勢 古事記異聞』刊行記念 高田崇史さんコメント』

『陽昇る国、伊勢 古事記異聞』

 前回までの「出雲」に続き、今回、橘樹雅がチャレンジするのは「伊勢神宮」です。
 正式名称は、ただ「神宮」。
 内宮である「皇大神宮」と、外宮の「豊受大神宮」の総面積は、東京・世田谷区の面積とほぼ等しい広大な神域を持ち、摂末社、所管社などを合わせると百二十五社にものぼるという、その名の通りの「大神宮」です。
 主祭神はもちろん、天照大神。
 皇室の祖先神を祀るというこの神宮には、他の神社とは異なる点がいくつも見られます。
まず「狛犬がいない」「お神籤がない」「賽銭箱が置かれていない」「拝殿前の鈴がない」「注連縄がない」などなど。
これらの理由は文中にも書いたように簡単に説明がつきます。
 ところが、全く論理的に説明がつかない謎も存在しているのです。
 第一に「外宮先祭(げくうせんさい)」の謎。
天照大神がいらっしゃる「内宮」より先に「外宮」でお祭りが執り行われ、我々も伊勢神宮に参拝する際には外宮からお参りしなくてはならないと決められています。何故なのでしょうか。
 第二に「男千木(おちぎ)・女千木(めちぎ)」の謎。
千木というのは、現在では殆ど装飾となっていますが、神社本殿の屋根の端に付いている破風の先端が延びて交差している角(つの)のような木です。
 この部分が外削ぎとなっているものを「男千木」、内削ぎになっているものを「女千木」と呼ぶのですが、原則的に「男神」を祀る社では「男千木」、「女神」を祀る社は「女千木」となっています。
「原則的に」というのは、その最も大きな例外が「伊勢神宮」だからなのです。伊勢神宮のために「男千木・女千木」の原則が崩れていると言っても過言ではありません。
 これは一体、どういうことなのでしょうか?
 また、天皇家の祖神である天照大神を祀っているのですから、歴代の天皇は誰もが参拝しているように思われがちですが、実は神宮に参拝されるようになったのは明治天皇以降なのです。それまで百二十代以上にわたる歴代の天皇は、誰一人として伊勢神宮に参拝されていません。足を運んだ天皇すら持統天皇一人だけです。
 逆に言えば、持統天皇は参拝するわけでもないのに、どうして神宮に足を運んだのでしょう。そして、明治天皇は何故、千年の慣習を破って参拝されたのか……。
 伊勢神宮に関する謎は尽きません。
 果たして橘樹雅は、この深く大きな謎にどこまで迫ることができるでしょうか。
 ぜひ皆さまも雅とご一緒に、伊勢の旅にお出かけください。

高田崇史

PROFILE

高田崇史(たかだ・たかふみ)

昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒業。『QED 百人一首の呪』で、第9回メフィスト賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリを精力的に書きつづけている。近著は『江ノ島奇譚』『猿田彦の怨霊 小余綾俊輔の封印講義』など。

昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒業。『QED 百人一首の呪』で、第9回メフィスト賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリを精力的に書きつづけている。近著は『江ノ島奇譚』『猿田彦の怨霊 小余綾俊輔の封印講義』など。

「古事記異聞 出雲編」 古事記異聞 出雲編」

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主要登場人物紹介 主要登場人物紹介

御子神 伶二 御子神 伶二

がみ 伶二 れいじ

日枝山王大学准教授。民俗学研究室を任されている。
クール過ぎて「冷酷の・冷二」という別名も。
学内ではイケメン准教授という噂もある。雅の指導教官。

橘樹 雅 橘樹 雅

橘樹たちばな 雅 みやび

新学期から日枝山王大学大学 院に進み、民俗学研究室に所属することに。
研究テーマは「出雲」。裏テーマ「縁結び」に期待している。
乙女座・B型。

波木 祥子 波木 祥子

波木なみき 祥子 しょうこ

日枝山王大学民俗学研究室助教。
一日中資料本に目を通していて、挨拶も返さないクール・ビューティー。
雅は、御子神と波木は冷血非人情コンビだと思っている。

水野 史比古 水野 史比古

水野みずの 史 ふみ比古ひこ

日枝山王大学教授。民俗学研究室主宰。民俗学界の異端児。
サバティカル・イヤーで、インドやネパールを訪問中。
雅は水野の授業に惹かれて民俗学研究を志した。

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