異端の歴史学者・潮田誠教授の主催する天橋立へのバスツアーで起きた全員死亡事故を遡ること二年。研究室関係者が相次いで怪死。事件の直前には「研究室が災厄に見舞われる」という不気味な手紙が届いていた。助手の永田遼子は教授の研究を密かに追ううちに、神功皇后について歴史を覆す記述をみつける。
松島、天橋立、宮島。日本三景と呼ばれる名勝が次々と倒壊、炎上する。
日本中の主な神社を破壊し、そこに封じられている怨霊を揺り起こしてきた高村皇の最大の仕掛けが始まる。
八年前、天橋立で起きた観光バス転落事故は、高村によるものだったのか。神々を鎮めに辻曲兄妹らが全国に散る。
シリーズ完結!
東京都内各地で同時多発的に発生した放火殺人。
被害者は全員十六歳で、同じ高校の一年生だった。
犯人の狙いは、東京の結界を守護しているという五色不動の破壊なのか。
辻曲彩音が現場を訪ねると、見え隠れする江戸の大火と遊女の影。
明暦の大火を経た復興都市「江戸」の深い闇と鎮魂の歴史を明らかにする。
世界的に有名な京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に吊された四人の遺体。
狐憑きの家筋である樒祈美子は、お山の気の歪みを感じて巡拝するが、千本鳥居が次々と倒れはじめる。
鳴り止まぬ雷鳴のなか、稲荷山へ入ろうとする辻曲彩音らを狐たちが襲う。「お稲荷さん」と狐はなぜ縁が深いのか? 稲荷神の正体は?
天変地異が続く宮島。突風、竜巻、地震に襲われ、嚴島神社の大鳥居が大きく揺らぐなか、社務員が刺殺される。この異変は怨霊を目覚めさせようと企む者たちの仕業だと感じた辻曲彩音は、現地に急行する。宮島が「神の島」と呼ばれる所以とは? 封印された大怨霊とは何者なのか? 歴史の暗部を照らし出す。
日本最古の神社の一つ、奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺害された。彼が「蛇が…」と言い残して事切れたと聞き、友人の田村暁は戦慄する。その数日前、二人は大神神社の御神体とされる三輪山で、ある禁忌を犯していたのだ。一方、京都にいた辻曲姉妹も不吉な兆候を察知。怨霊を鎮めるべく、奈良へ―─。
「縁結び」の神様にして、男を呪う「丑の刻参り」でも有名な、京都・貴船神社。次女・摩季を蘇らすため、清らかな霊水を求めて貴船に向かった辻曲姉妹たちは、ここで、般若のような顔をした犯人による連続殺人事件に遭遇する。事件の真相は? そして、貴船に祀られた姫の悲しみを晴らすことはできるのか?