講談社文庫

『イクサガミ 人』 今村翔吾 『イクサガミ 人』 今村翔吾

『イクサガミ 人』

弱き者は皆、死んだ。
「蠱毒」はこれからが本番だ。

東海道を舞台にした「蠱毒」も、残り23人。人外の強さを誇る侍たちが島田宿で一堂に会した。血飛沫の舞う戦場に神と崇められる「台湾の伝説」が現れ、乱戦はさらに加速する――!
数多の強敵を薙ぎ倒し、ついに東京へ辿り着いた愁二郎と双葉を待ち受ける運命とは。疾風怒濤の第三巻!

最終巻『イクサガミ 神』2025年発売予定

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Netflixにて世界独占配信 ドラマ化決定! Netflixにて世界独占配信 ドラマ化決定!

待望の実写化が決定!
それを記念し、主演・プロデューサー・アクションプランナーの岡田准一氏、藤井道人監督、原作者・今村翔吾氏による、豪華クロストークが行われました。
ここでしか読めない、独占スペシャルコメントも掲載です!

岡田准一(主演・プロデューサー・アクションプランナー)
「僕の身体が無事だったらとんでもない作品になる」
藤井道人(監督)
「日本、そして世界に届く作品を生み出す」
今村翔吾(原作)
「僕がこの作品を一番楽しみにしている」

<企画の成り立ち>

Netflixの高橋信一さんから、岡田准一さんにプロデューサー&主演オファーが届いたのが始まりだったと伺いました。

岡田
高橋さんにお声がけいただいたとき、ちょうど僕は役者のキャリアの中で時代劇を軸に据えるパートに入っていて「日本、そして世界でもヒットする時代劇をどう作るか」を考えていました。時代劇にはアクションや人間ドラマ、社会性ほかエンターテインメント要素が豊富にあるため、もっとうまくできるのではと僕個人は感じています。今村先生の小説は時代モノの核を大切にしながらも攻めていくエンタメ性があり、いまの人々も楽しめる作りになっているのが好きで読ませていただいていたため、(映像化に対して)非常に興味を持ちました。
そして、自分がプロデューサーとして入るうえで「日本でも世界でも売れる時代劇を若い世代で作る」を目標に掲げました。では、誰に撮っていただくか。僕は藤井道人監督以外は考えられませんでした。『最後まで行く』でご一緒した際、芝居を大切にしながらエンタメ性を追求する素晴らしい才能に感銘を受けたのです。正直、「藤井監督が受けてくれなかったら僕は降ります」という想いでアタックしました。
藤井
とても光栄です。僕はこれまで、好き好んで時代劇を観てきた人間ではありません。ただ、自分たちが生きていくうえで絶対に避けては通れないのが“時代”ですし、岡田さんがいてくれるなら面白いものができるのではないかと思い、まず今村さんの原作小説を読ませていただいて「こんなに面白い本があるのか!」と衝撃を受けました。30代が多い僕のチームが本作に携わるのはめちゃくちゃ試練だと思いましたが、この年齢でこんな勝負をできるのはものすごく恵まれていると自覚して、お受けさせていただきました。
今村
実は僕も「世界に通用する時代小説」をコンセプトに『イクサガミ』を書いていました。「日本の若い世代、ひいては世界に受け入れられるような、エンタメに振り切った時代小説を書く!」という想いで始めたんです。いまだから言うわけではないのですが、編集者さんと「Netflixさんしか映像化は無理だから、どうか届いてほしい」と話していたので、オファーをいただいた際にはとにかく嬉しかったです。しかも主演が岡田准一さん!執筆中に主人公・愁二郎に岡田さんのイメージを重ねていたので、二重に驚きました。

<脚本作り/目指すビジョン>

原作を読んでいても「どう映像化するんだ!?」と感じましたが、脚本作りはどのように進められたのでしょう。

藤井
まず岡田さんと「日本、そしてその先にどう届けるか」を話し合いました。日本人が持っている心や様式美がアクションやエンターテインメントに交じり合うことでその目標が達成できるのではないかと結論付け、日本人としての誇りを大事にして脚本を作ろう、と決めました。
その後に今村先生にお話を伺ったのですが、「小説と映像で想いが一緒であれば問題ない。藤井監督たちが思う『イクサガミ』を届けて下さい」という優しい言葉をいただけて、安心して「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながらも自由に書かせていただきました。
今村
僕からすると「原作ではこうですがこう変更して大丈夫ですか?」と最大限配慮して下さって、真摯に向き合って下さっているのが伝わってきたので、何の心配もありませんでした。小説を書いた身としても「ここは映像では違う風に表現した方が届きやすいだろうな」と思っていましたし、その見せ方については藤井監督や岡田さんのチームを信じていました。脚本も読ませていただきましたが、率直にすごくよくできていると感じました。小説と変えている部分も、映像ならではの視覚的にハラハラさせる演出が加わっていて面白かったです。
岡田
何回本打ち(脚本の打ち合わせ)を行っただろうか……というくらい改稿を重ねましたが、藤井さんが最後に綺麗に直してくれて、どんどんキャラクターに心が通っていきました。海外も視野に入れている以上、キャラクターの作り方もこだわった部分の一つです。日本の時代モノで難しいのは、侍を描くにあたって主従関係が付随することにより「お殿様の部下である武士たちは個性を消す」になってしまいがちなことです。つまり、キャラ立ちを優先しすぎると世界観を破壊しかねないため、どう組み立てていくか。アクションプランナーとしても、原作に最大の敬意を払いながら「今村さんが描こうとしていること」を見失わず、そのうえで映像としての方法論を見つけていくのには頭を悩ませました。

複数のエピソードからなるドラマシリーズですから、そのぶん労力もかかったかと思います。

藤井
岡田さんはプロデューサーとして全国各地のロケハンに同行してくださって、ロケ地を一緒に決めて「じゃあここでこういったアクションをしよう」と話すことができました。そのアクションにしても、岡田さんが全部に的確なコンセプトを付けて下さるんです。「ここは混乱を生む場所、ここでは“狩り”をテーマにしよう」といった風に。そうすると目的が明確になってくるんです。シーンやキャラクターに応じたコンセプトを設けて下さるから俳優も演じやすいでしょうし、あの岡田さんがやって下さるからこそ脚本に強度が生まれたのだと感じます。
岡田
それを映画3本分のボリュームでやらなければならないわけです。脚本だけでものすごい分量ですし、登場人物も多いなか、それぞれの見せ場もちゃんと拾っていきたいので、アクションプランナーの仕事は脚本段階から始まっていて、各シーンで「こういうことをしたい」ということを提案し、OKが出たものを入れ込んでいただく形をとりました。 藤井監督は本質を見失わない強さを持っていて、映像で嘘をつかず、誤魔化さないのが魅力だと感じています。衣装も約300人分以上用意したり、スタッフ含め全員が「いいものを作ろう」という気概で妥協なく、本当に攻める姿勢で臨んでいます。
藤井
映像的には、僕たちはいつも通り「感情を撮る」を重視しています。この中で起こっていることはいまの社会にも当てはめられるでしょうし、友情や絆といった守るべきもの・時代の流れの中で失われてしまったものは普遍だと捉えています。「いま自分が心動くものを撮る」を念頭に置きながら、エンターテインメントとして面白いかを研究して作っています。
自分は時代劇を勉強してきた人間ではありませんから、専門性という意味では不安があります。でも時代劇に影響を受けつつ、その枠にとどまらない自由度を有したエンターテインメント作品を目指していければ、僕にも面白いものが作れるのではないかと。その考えは、今村先生が「イクサガミ」シリーズで時代小説を開拓してくださったことにも通じるのではないかと個人的には考えています。そして、僕の隣には時代劇の継承者である岡田さんがいてくれる。今村先生と岡田さんという無敵の両翼があるので、僕は自分とチームが信じる”いい仕事”に徹そうと思っています。

<期待と意気込み>

今村先生が楽しみにされているシーンや、注目ポイントはございますか?

今村
こんなことを言って無理させたくはないのですが、やっぱり岡田さんのアクションを一刻も早く観てみたいです。「どんな感じになるんだろう」と僕が一番楽しみにしています!
岡田
ありがとうございます。いま撮影が始まって3日目(取材日時点)ですが、「チャレンジするってこういうことだよな」と大変さと充実感を味わっています。そもそも出演者だけで292人以上いますから出演者としてもプロデューサー、アクションプランナーとしてもてんてこ舞いではありますが、これまでの「時代モノはこうあるべきだ」という常識を覆すような「攻めるぞ!」という熱量を感じる現場になっています。
まずは日本の皆さんに「こんなに凄いものを作れるんだ!」と認めていただけるようなものをしっかり創り上げて、そこから「これを世界に届けようぜ!」と思ってもらえるように邁進したいです。この作品は、僕の身体が無事だったらとんでもない作品になります。
藤井
唯一無二の環境を作っていただいているぶん、責任感は伴います。出演者が300人近くいるということは、スタッフも同じだけの人数が関わっているということ。総勢600人以上が現場にいて、それぞれの家族やファンの方にもこの作品が枝葉のように広がっていくと考えると、作品を背負わないといけない感覚も強まります。だからこそ、僕たちは観たことのないものをしっかり届けないといけません。最高のストーリーとキャスト・スタッフ、映像――その全てをアップデートして「日本、そして世界に届く」作品を生み出すことが、今回僕がチャレンジしたいと思った理由でもあります。

(取材・文:SYO)

原作ファンの皆さまへ、独占スペシャルコメント到着!
今村
元々藤井監督とキャストの皆さんを信じていましたが、映像化に向けてやり取りしていくなかで、より一層その想いが強くなりました。僕は原作者ではありますが、このプロジェクトの一番のファンでもあり、とにかく楽しみで仕方がありません。出来上がった際には、皆さんぜひ一緒に楽しみましょう!
藤井
僕たちはいま絶賛制作中で、楽しい反面で未開の地に進んでいる感覚があります。 こうしたチャレンジングな企画に取り組んでいること自体が、視聴者の方はもちろんのこと「こんな作品を作っていいんだ」とクリエイターの方々にも活力を与えられたらと願っています。大変さがしっかりと画に映っている喜びを日々感じながら、無事に出来上がった際には日本の皆さんに広がって、そこから世界に波及していくようにとの思いを込めて作っておりますので、配信を楽しみにしていてください!
岡田
個人的なことですが、僕は十年周期で自分を変えてきました。アイドル期、俳優期、プロデューサー期といったように。その節目となるのが本作で、凄まじい爆発力を秘めたエネルギーを感じています。まだまだこれから長期間にわたる撮影は続きますが、このスタッフ・キャストだったらきっと撮りきって、皆さんにとんでもないレベルの作品をお届けできると信じています。

王道ネタで覇道を突き進む、圧倒的な牽引力。もう止まらない。
お願いですから早く続きを読ませてください。

極夏彦(小説家)

風太郎忍法帖+現代のデスゲーム。『天』で巻を措けるのは、ただ死人のみか。
悪のゲームに身を投じ、一瞬の光芒に命を散らす兵法者たちは、切なくも美しい。

祐介(作家)

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今村翔吾

プロフィール プロフィール

今村翔吾(いまむら・しょうご)

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。’22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、『童の神』『ひゃっか』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

東海道地図

作曲家・山田竜平氏が、小説をイメージしたオリジナル楽曲を書き下ろし!

作曲家・山田竜平が、「イクサガミ」をイメージしたオリジナル楽曲を書き下ろし。幼少期からお互いを知り、今や小説と音楽、二つのエンタメの最前線を行く二人の夢のコラボレーション!楽曲制作を始めるにあたって、お二人に記念対談を行っていただきました。

今村翔吾×山田竜平 スペシャル対談

そもそも、お二人の出会いは?

今村
保育所が一緒やったんよな。
山田
そうそう、京都で。年は3歳違うから、かぶってはいないんだけど保育所は一緒。翔吾くんの弟と僕が幼なじみで、僕の姉や翔吾くんも含めて家族ぐるみでどこかへ遊びに行ったりする間柄でした。
今村
キャンプとかもよく行ったよな?
山田
今村家ともう一組、別の家族と仲良くさせてもらっていました。でも、僕が小学校2年生のときに、パン屋を営む父親の仕事の都合で奈良に引っ越したので、そこからしばらく空いてしまいました。その後、中学校に入ってやんちゃし始めるときぐらいに、弟さんと再会しました。確かその頃に、翔吾くんも中型免許取って、うちの実家に遊びに来てくれましたね。
今村
そう。愛車のドラッグスターで竜平の家にパンを買いに行って久々に会ったんや。
山田
そのときも僕だけじゃなくてうちの家族みんなに会いに来てくれた感じやったよね。
今村
うん。だから俺と竜平の関係が深くなったのはもう少し後、俺が20歳すぎぐらい。
山田
僕は音楽始めたときだから、18歳かな。
今村
その頃俺も音楽やっていましたので、音楽の専門学校に通って駆け出しやった竜平に、編曲してくれない?とお願いしてCDを作ったのが最初ですね。そのCDも5曲作るのに、1年以上かけて、だらだら作ってた。
山田
翔吾くんが土日、午前中うちに来てくれて。
今村
夜まで一切制作しないで割とエンドレスでしゃべるんよな?ひたすら。
山田
うん。宇宙の話とかしたよね。
今村
竜平って、よく「翔吾くん、宇宙ってどう思う?」とか聞くわけよ、俺に。今の世界情勢とか。
山田
僕は興味を持つ割に知識がないから、頭のいい人に分かりやすく説明してもらいたい。一方の翔吾くんは弁が立って説明が上手。
今村
そうやってずっと話して、夕方ぐらいに「ちょっとぐらいやらなな」って言って、夕方とか夜に1時間ぐらいやって、「今日、帰るわ」みたいなのが一年ぐらいずっと続いたよな。合間に竜平のおっちゃんのところのパン食べて。それから、CD制作が終わってからも会ったり電話したりするようになって、子どもの頃よりも濃い間柄になった。
今村翔吾×山田竜平 スペシャル対談

その後、山田さんはどのような活動をされたのでしょうか?

山田
24、5まで関西で色々と試行錯誤した後、26で上京して、デビュー作とは異なるのですが、つるの剛士さんの「はやぶさ」の作曲をさせていただき、山田竜平という人間の音楽性が世に発信できました。その後も色々と積み重ねて……。
今村
出世作は田中芳樹先生原作、荒川弘先生漫画のアニメ『アルスラーン戦記』の主題歌「翼」(藍井エイル)か。
山田
あとアニメ『バジリスク』の「桜花」だね。そういうアニメ音楽などを作曲して。あとはJ-POP。これも要はアニメ番組の主題歌とかエンディングなどですね。このあたりで状況が変わりました。でも、はじめのうちはまだお互いこんなになると思ってなかったよね。もちろん、「なろう」という思いはあったけど。
今村
むしろ逆よ。竜平のほうが先に自分の夢に進んでいて、俺のほうが二の足踏んでいた。でもそんなときもいつも竜平は、「翔吾くんは、やれば絶対成功するねんから、勇気持ってやったらいい」っていうのは昔から言ってくれてたな。
山田
だし、同じステージに来て欲しかった。だって、昔から本や歴史が大好きだったから。
今村
俺が30のときに小説家になる決意をして前の仕事を辞めたら、竜平がめっちゃ喜んでくれたのは覚えてるよ。
山田
めっちゃうれしかったから。デビューしてからの展開も、一般の方から見たらすごく早い駆け上がり方かもしれないけど、それまでの下積みやフラストレーションを知る僕にとっては、意外ではありませんでした。
今村
すでに己の道を行く竜平には、やりたいことがあるけど、それが具現化できなくて苦しんでいる姿も沢山見せてきたと思う。不安もデカかったけど、竜平は「絶対できる」ってずっと言い続けてくれた。だから俺がデビューしたときも、「ほらな。やればできるって、ずっと言ってたやん」みたいな感じやったな。
山田
僕は18のときにそれまで考えもしなかった音楽活動に出会って、それでもここまでやってきた。でも、翔吾くんは小さいときから志があった。それに、翔吾くんは小さいときから、何がどう転んでも一人で生きていけるタイプの人だと思っていたから。
今村翔吾×山田竜平 スペシャル対談

そんな中、なぜ今回、山田さんに音楽を作っていただこうと思ったのでしょう?

今村
そもそも竜平とは、いつでもこうしたコラボができる関係性ではありました。でも二人の暗黙の了解で、お互いがお互いの道である程度世間にも認められるようになってからやりたいね、というのがあって。それである程度二人ともプロとして一人前と言えるようになったかな、というタイミングで本作の話が来て、若い子にも読んでもらうために魅力的な音楽が欲しい、音楽といえば竜平じゃないか。ついにそのときがきたか!と思い立ちました。
山田
もっと後でもできたんだけど、お互い家庭ができて身動きができなくなる前に1回やりたかったというのもあります。もちろん40は40でまた何かあるかもしれないし、それぞれがステージを上げていく中で、ときどきこうしてコラボして切磋琢磨出来たら最高ですね。小説を読みながら聴けるような音楽を作りたいって、もともとのイメージはどこから?
今村翔吾×山田竜平 スペシャル対談
今村
これは俺の発案です。俺、ふだんこのキャラクターはこの音楽だ、とか聴き分けながら小説を書くんよ。そういうのもあって、俺の中にあるこの小説のテーマ曲のイメージが読者と共有できたら、もっと俺の見せたい映像が頭に浮かんでくれるんではないか、と。
山田
簡単に言えば小説の主題歌ってことよね。
今村
そう。音楽の力を借りれれば、ふだん歴史小説を手に取らない若者にも手に取ってもらえるんじゃないかな、と。
山田
それじゃあ、気合を入れて作らせてもらいますね。
今村
ありがとう。めちゃくちゃ楽しみにしてます!

プロフィール プロフィール

山田竜平(やまだ・りゅうへい)

1988年生まれ奈良県生まれ。高校卒業時に音楽の道へ進むことを決意し、専門学校で作曲、編曲を学ぶ。

『イクサガミ 天』

か、か、誇りか。
刀を握る理由は、何だ。

明治11年。深夜の京都、天龍寺。
「武技ニ優レタル者」に「金十万円ヲ得ル機会」を与えるとの怪文書によって、腕に覚えがある292人が集められた。
告げられたのは、〈こどく〉という名の「遊び」の開始と、七つの奇妙な掟。
点数を集めながら、東海道を辿って東京を目指せという。
各自に配られた木札は、1枚につき1点を意味する。点数を稼ぐ手段は、ただ一つ――。

「奪い合うのです! その手段は問いません!」

剣客・嵯峨愁二郎は、命懸けの戦いに巻き込まれた12歳の少女・双葉を守りながら道を進むも、強敵たちが立ちはだかる――。

弩級のデスゲーム、ここに開幕!
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『イクサガミ 地』

待望の第2巻

討て。生きるため。
武士の時代の終焉――魂の戦い!

東京を目指し、共に航路を行く少女・双葉が攫われた。
夜半、剣客・愁二郎を待ち受けていたのは、13年ぶりに顔を合わせる義弟・祇園三助。
東海道を舞台にした大金を巡る死闘「蠱毒」に、兄弟の宿命が絡み合う――。
文明開化の世、侍たちの『最後の戦い』を描く明治三部作。待望の第2巻!
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コミカライズ

『イクサガミ』(1) ~ (4)

原作:今村 翔吾 著:立沢 克美  モーニングKC

日本中に「武技に優れた者は京都天龍寺境内に集まれ。警察官二千年分の俸給がもらえる可能性がある」という旨が描かれた新聞が張り出された。大金が欲しい嵯峨愁二郎が指定された日時に向かうと、そこには腕に自信がありそうなものが大勢いた。
そして槐(えんじゅ)という人物が現れ、「こどく」という「東海道の7カ所を通過するために必要な札を取り合うゲーム」の開幕を告げた。金を欲しがる人間たちによる札の奪い合い、殺し合いが始まった・・・。
デスゲーム×明治時代×サムライ! 圧倒的筆致で描かれる死闘、開始!!

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