1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。'15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、'16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。'16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。'18年に『銀河鉄道の父』(本書)で直木賞を受賞。他の著書に『パラドックス実践 雄弁学園の教師たち』『屋根をかける人』『ゆけ、おりょう』『定価のない本』『自由は死せず』『東京、はじまる』などがある。
天才で、ダメ息子な宮沢賢治。
その生涯を見守り続けた父が、
心に秘めた想いとは。
あらすじ
政次郎の長男・賢治は、適当な理由をつけては金の無心をするような困った息子。政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。やがて妹の病気を機に、賢治は筆を執るも――。天才・宮沢賢治の生涯を父の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた傑作。<第158回直木賞受賞作>
賢治の側に立って読むのか、父の政次郎、はたまた妹のトシの側に立って読むのか……20代、30代、40代、と年を重ねていくにつれて、読み味の変わっていく作品だと思います。
老若男女、すべての人に自分なりの『銀河鉄道の父』を楽しんでいただきたいです。