講談社文庫

ありんす国の料理人 1 神楽坂 淳 ありんす国の料理人 1 神楽坂 淳

ありんす料理はじめましたーー

自分を磨いて料理に向き合い、この身を懸けて真剣勝負。
吉原の華をスパイスにした、真心溢れた人間ドラマ!

ブックジャーナリスト/内田 剛

『ありんす国の料理人 1』 神楽坂 淳

『ありんす国の料理人 1』
神楽坂 淳

江戸っ子は吉原のことを「ありんす国」と呼んだ。
(くるわ)内で遊女見習いから料理人になった娘を描くグルメ時代小説。

吉原の揚屋町で飯屋を営む花凜と相方の神楽。花凜は遊女の見習い・禿(かむろ)の出で、料理の道に目覚めたのだ。高い志はあるものの、店はまったくはやらない。そしてこの日、店にやって来る花魁に料理をふるまい、「まずい」と言われれば借金のカタに遊女として身売りすることになっていた......。

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意外と明るい吉原生活 神楽坂 淳 意外と明るい吉原生活 神楽坂 淳

 今回は吉原ものを書かせていただきました。吉原というのは「苦界」と呼ばれていて、とにかく女性が不幸であった。というような描かれ方をすることが多いです。なにかというと結核で死んでいます。
 しかし本当にそうだったのか。と資料を見ていて思ったのです。ちなみに「女工哀史」という女工を扱ったルポがあるのですが、その中の記述に「吉原に行ったひとはみな幸せそうで羨ましい」というような記述があります。
 また、「吉原の四季」という本には「明治の吉原は江戸時代と違ってひどいものだ」という記述もあります。
 つまり「江戸時代の吉原には夢があったのかもしれない」というところからスタートしたものなのです。
 今回はわりと吉原の「上澄み」をすくったような物語です。もちろんひどい部分は多々ありますが、「ひどくない」世の中というものは現代においても存在しないですし。吉原の遊女が「アイドル」であったというのも間違いはありません。
 奉公があけても吉原に戻ってくる女性も多かったようです。
 「女性のための国」という側面があったには違いないです。当時へは「ありんす国」という形で独立地域としての面目も保っていました。
 なので「明るい吉原」を描きたいと思って書きました。決して「苦界」の物語ではないので気軽に読んでもらえると嬉しいと思います。

Profile

神楽坂 淳(かぐらざか・あつし)

1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者。多くの文献に当たって時代考証を重ね、豊富な情報を盛り込んだ作風を持ち味にしている。小説に『大正野球娘。』『三国志1~5』『うちの旦那が甘ちゃんで』『金四郎の妻ですが』『捕り物に姉が口を出してきます』『うちの宿六が十手持ちですみません』『帰蝶さまがヤバい』などがある。

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