講談社文庫

『新・水滸後伝』(上)(下)田中 芳樹 『新・水滸後伝』(上)(下)田中 芳樹

『新・水滸後伝』とは?

中国古典の大作『水滸伝』の後日譚として、17世紀に陳忱が描いた『水滸後伝』。

幾度となく読み返し、その魅力を知る田中芳樹が、原典の面白さはそのままに、よりエキサイティングな物語へと再構成。

全く新しい傑作『新・水滸後伝』を生み出す!

田中芳樹さんコメント 田中芳樹さんコメント

 原典があるのに、あたらしく書きなおすから「新」の一字がつくわけだが、業を終えていまさら、だいそれたことをしてしまった、という思いで身がちぢむ。しかし、原典の存在を知ってもらうだけでも、恥をかく価値はある、と考えて刊行してもらうことにした。
 『水滸伝』をすでに読んだ方々のみならず、そうでない方々にも独立して読める作品として書いたつもりだが、はたしてうまくいったかどうか。読んで判断していただければ、これにまさる幸いはない。

田中芳樹
(「後記」より抜粋)

『新・水滸後伝(上)』 田中芳樹

『新・水滸後伝(上)』

「弱きを救い、強きをくじく」
夢破れし梁山泊の者たちが再び悪政に挑む!
痛快無比、歴史伝奇小説

<あらすじ>
十二世紀の中国、北宋末期。腐敗する朝廷を倒さんと立ち上がった梁山泊集団は遼国を討ち、方臘の乱を鎮圧するも多くの好漢を亡くし崩壊した。それから数年、変わらず悪政が蔓延る中、散り散りになった生き残りたちが、不思議な縁に導かれ再会。過酷な運命に涙をのんだ者たちは熱き心を胸に再び蜂起する!

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『新・水滸後伝(下)』 田中芳樹

『新・水滸後伝(下)』

「この国は亡ぼさせねえぜ」
新天地を築く梁山泊の一党に襲いかかる敵、敵、敵!
人心沸騰、歴史伝奇小説

<あらすじ>
様々な戦いを経て、ついに一堂に会した梁山泊残党。彼らは新天地を求めて宋の国を飛び出し、大洋を隔てた島へと渡る。その地に理想の国を築こうとするも、圧倒的な数の兵力を率いる金軍、さらには巨大な惨禍を巻き起こす呪術を操る妖人・薩頭陀が島を襲った。好漢たちは固き志を胸に強大な敵と対峙する!

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梁山泊とは 梁山泊とは

中国北東部、梁山のふもとにあった広大な沼水地のこと。
『水滸伝』でこの地に豪傑たちが立てこもったことから、豪気な人物たちや野心家の集まる場所というようになった。

梁山泊とは
地図作成/らいとすたっふ

担当コメント

断言します!
『水滸伝』を読んだことがない方でも、中国の歴史が苦手な方でも、
このヒーローたちの物語は気持ちよく読めます!

 2020年末、ついに「創竜伝」シリーズ完結篇『創竜伝15<旅立つ日まで>』を上梓された田中芳樹さん。ファンの皆さんの興奮冷めやらぬ中、田中さんが半世紀にわたり思いを募らせ、執筆された中国歴史伝奇『新・水滸後伝』が文庫となって登場いたします。

 カバーイラストに描かれた好漢たちは、悪い権力者に敗れ、多くの仲間を失った者ばかり。ところが腐敗し続ける政治を見かね、彼らは再び反旗をひるがえします。

 好漢たちのカッコよさ、圧倒的な力に挑む心、魅力的な敵、見応え十分の大活劇、人智を超えた妖術との対峙……次から次へと見どころが訪れ、楽しく読み進めることができます。

 田中作品の他の大人気シリーズを読んで心が躍ったという方も多いことでしょう。本書でも同じような読書体験が待っています。

 読まないなんてもったいない。『新・水滸後伝』を手にとってみませんか。

水滸後伝とは? 水滸後伝とは?

 時代は中国北宋末期。高い志を持ちながらも、社会からはじき出され、梁山泊に集った豪傑108人が、民を虐げる悪い権力者に立ち向かって大活躍する熱血大河ドラマ。
 日本には江戸時代に入ってきて読まれるように。江戸後期の読本作者・曲亭馬琴は『水滸伝』の構想を借り、長編伝奇小説『南総里見八犬伝』を書き上げた。

◆『水滸伝』を読んでみたいあなたに

  1. 駒田信二 訳『水滸伝』(一)~(八)
  2. 柴田錬三郎『柴錬水滸伝 われら梁山泊の好漢』(一)~(四)
  3. 吉川英治『新・水滸伝』(一)~(四)
  4. 嵐山光三郎『水滸伝  痛快 世界の冒険文学』
  5. 井波律子 訳『水滸伝』(一)~(五)

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