『霊獣紀 鳳麟の書(上)』
ぼくは永思を一生見守ることになると思う──
亡命皇族の少女が粛清渦巻く朝廷で生き抜く。
一角麒が見つけ出した卵から生まれた双角は玉虫色の鱗に覆われ、翼をもっていた。 麒麟と鳳凰の形質を備えた双角は、一角と人界で暮らしはじめ、ある日運命の出会いが訪れる。父を処刑された少女・馮永思を包む光暈に惹かれた双角は、彼女とともに後宮へ。粛清の続く朝廷で永思を見守ると決意する。
一角麒が見つけ出した卵から生まれた双角は玉虫色の鱗に覆われ、翼をもっていた。 麒麟と鳳凰の形質を備えた双角は、一角と人界で暮らしはじめ、ある日運命の出会いが訪れる。父を処刑された少女・馮永思を包む光暈に惹かれた双角は、彼女とともに後宮へ。粛清の続く朝廷で永思を見守ると決意する。
4月15日
刊行予定
夫をに亡くした永思は、大魏の実権を握り、改革を進めた。双角は山界に戻ったが、ある日、永思の死を感知し、ひとの命の儚さを実感する。世界の均衡は崩れ始め、人界と仙界、天界の三界は遠ざかりつつあった。一角麒は天界を経験し、己の生もごく短い時間であると悟 り、自らの生き方を選び取る。






鳳凰の眷属・紫鸞は、玉山で天命を授かった直後、神獣・一角麒に出会う。
人界に馴染むことが肝要だ、という一角の助言から、紫鸞は人間の街で暮らす。
ある夕暮れ、突如現れた流星に突き動かされ、北方遊牧民の穹盧に辿り着く。紫鸞を惹きつけたのは、たった今受精した未来の聖王が放つ光だった。
10月16日
発売!!
華北を統一した大秦が衰退するにつれ、中原には戦乱が広がる。イーグィは若き代王として即位し、相次ぐ内乱を鎮めつつ、仇敵・劉衛辰を討つ機会をうかがう。同じ頃、一角麒は戦地で仮死状態になった翠鱗を蘇らせる方法を探していた。西王母を訪ねた一角は、自分たち霊獣の生まれてきた意味を問う。








幼体時を長く地上で過ごし、成熟すると天界と人界を自在に行き来できる。
人間より遥かに長生き。
三国時代の後、匈奴・鮮卑など五つの異民族による十六の国々が林立して争った戦国時代。
神獣・赤麒麟の一角麒は、山で蛟の子・翠鱗を拾い、新入りの霊獣として大切に育てる。
人界で人間に変化することを学ぶ折、翠鱗は光の輪に包まれた若き将軍・符堅に出会い、聖王の徴を見る。翠鱗は天命を試さぬまま、偶然、符堅に再会し、そのまま彼の理想と聖王の器を守っていく決意を固める。
大秦天王に即位した苻堅は、諸族の相和する世界を目指し、華北統一に邁進する。
霊獣・翠鱗は光暈をまとう苻堅の聖徳を信じて守護していたが、鮮卑族の慕容垂など、ほかにも光に包まれた人物が現れ、動揺する。光暈は聖王のしるしではないのか。宰相王猛の死で苻堅の政に翳りが見え始める。








少年に変化する能力を身につけた幼き霊獣・一角麒。天命を果たし”神獣”へと成長すべく、戦乱の中原に降り立つ。内乱の足音近づく晋の都・洛陽で、一角は天への光輝を放つ少年ベイラと知り合う。人界に囚われた霊獣と奴隷から盗賊に身を転じた若者の、戦いと友情を描く中華ファンタジー堂々開幕!
(10月29日講談社応接室にて)
※完全版は「現代ビジネス」でお読みください!
1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。’77年『緑の草原に……』で第3回幻影城新人賞、’88年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞、2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞。壮大なスケールと緻密な構成で、SFロマンから中国歴史小説まで幅広く執筆を行う。著書に『創竜伝』、『銀河英雄伝説』、『タイタニア』、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』、『岳飛伝』、『アルスラーン戦記』の各シリーズなど多数。近著に『創竜伝15<旅立つ日まで>』などがある。










「霊獣紀」シリーズ刊行にあたって
篠原悠希
魏呉蜀の三国を統一した晋が三代で崩壊したのち、百年以上続いた五胡十六国時代は、中華大陸の民族大移動の時代でもあります。あまりにめまぐるしく王国が乱立、滅亡する混沌とした時代で、三国時代や隋唐に比べると日本人には馴染みが薄く物語にするのが難しいため、歴史創作的には空白の時代でもありますが、石勒や苻堅、慕容煌という、多民族国家という新しい社会を目指した英雄もいて、物語にしないのはもったいない時代でもあります。そこで戦続きの殺伐とした単調さと血生臭さをファンタジーを絡めて表現して、現代人にも共感できるキャラクターを造形し物語を紡いでみました。ともに太平の世を夢見て歩きながらも、理想主義の霊獣一角と、現実主義ともいえる異民族のベイラとの葛藤も見どころです。
PROFILE
篠原悠希(しのはら・ゆうき)
島根県松江市出身。ニュージーランド在住。神田外語学院卒業。2013年「天涯の果て 波濤の彼方をゆく翼」で第4回野生時代フロンティア文学賞を受賞。同作を改題・改稿した『天涯の楽土』で小説家デビュー。中華ファンタジー「金椛国春秋」シリーズ(全10巻)が人気を博す。著書には他に「親王殿下のパティシエール」シリーズ『マッサゲダイの戦女王』『狩猟家族』などがある。