講談社文庫

□2018年3月号目次

江上 剛が語る「人生とチャンス」

―江上さんは、「IN★POCKET」では枝元なほみさん指南による「『せめて昼メシ』講座」が好評連載中です。現場では本についても話題にのぼると聞いています。今回は料理ではなく、まずは江上さんと本との関わり、読書遍歴からおうかがいしたいのですが。

江上 僕は丹波(兵庫県)の山奥で育ったんです。ものすごい田舎なんですよ。いまみたいにパソコンなんてないし、することといったら本を読んだり、作文を書いたりするくらいしか楽しみがなかったんです。懸賞作文ってあるでしょ。小学生新聞なんかが主催するやつ。ああいったものによく応募していました。入選するとノートとかペンとかもらえるんで(笑)。本屋なんてないから学校の図書室が本との最初の出会いだったと思います。

 実家では神戸新聞と丹波新聞を購読していたんですが、両親ともに働きづめで新聞なんか読まない。うちで新聞読むのは僕くらいしかいなかった。新聞の一面の下に書籍広告ってあるじゃないですか。あれをチェックして面白そうなのがあると、父親に頼んで買ってきてもらうこともありました。父親は山からサカキやシキミを伐ってきたり、正月用の門松を作るような商売をしていて、オート三輪で大阪まで売りに行くんです。そんなときにお願いしてました。

―どんなものを読んでいたんですか。

江上 小学生のころはみなさんもそうでしょうけど、伝記ですね。野口英世とかケネディとか。あと『宇治拾遺物語』や『今昔物語』も小学校の低学年のときに読んでました。もちろん子ども向けに平易に書かれたものでしたけど。中学生までは少年少女向けに書かれたようなものを読んでいたんだと思います。

 高校で文芸部に入って、指導の先生が実存主義が好きだったみたいで、いま読んだらアタマが痛くなるようなサルトルやキルケゴールなんかをすすめられたり、椎名麟三や大江健三郎、ドストエフスキーを初めて読んだのも高校時代でしたね。当時は「沙羅の木」という同人誌をつくって、そこに小説も書いていたんですよ(笑)。

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