ちひろ美術館 館長 黒柳徹子のことば

黒柳徹子

 トモエ学園で過ごした私の子ども時代のことを書いたのが、『窓ぎわのトットちゃん』です。書いてからもう30年以上も経ているのに、今でも日本やいろいろな国で、たくさんの方が読んでくださって、とてもうれしく思っています。

 この度、安曇野ちひろ美術館がある松川村が、トットちゃん広場をつくって、電車の教室を再現して、ひとりひとりの子どもの個性を大切に考えたトモエ学園の精神を受け継いだ公園にしよう、と計画してくださいました。その安曇野ちひろ公園が、いよいよ、7月23日に開園されると聞いて、とっても、わくわくしています。

 公園には、『窓ぎわのトットちゃん』に書いたお相撲をする土俵や、星が見える井戸、落とした財布を探した汲み取り口なども再現されます。電車の教室を見たり、電車の図書館で本を読んだり、公園のなかを駆け回ってたくさん遊んでください。そして、松川村の畑の先生たちと一緒に野菜をつくったり、収穫した野菜を料理したり、私がトモエ学園でしたような体験をしてもらいたいと思っています。

 トモエ学園の小林宗作校長先生は、私たちにいつも、「みんな、いっしょだよ。いっしょに、やるんだよ。」とおっしゃってくださいました。
みなさんも、安曇野ちひろ公園にいらしたら、たくさん楽しいことをして、そして、世界の人たちと、みんないっしょにやっていこうね、という気持ちをおみやげに持って帰ってくださるとうれしいです。