石の繭(まゆ)警視庁殺人分析班
麻見和史
695
警察小説の勢いと
推理の興奮を。
モルタルで石像のごとく固められた変死体が発見された。翌朝、特捜本部に入った犯人からの電話。交渉相手は新人刑事の如月塔子だった。自らヒントを提示しながら頭脳戦を仕掛ける知能犯の本当の狙いとは何か。
殺戮にいたる病
我孫子武丸
590
永遠の愛を男は
願った……が。
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。くり返される凌辱の果ての惨殺。恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈に抉る衝撃のホラー。
邪魔(上)
奥田英朗
629
この小さな幸せは、
誰にも壊させない。
サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売住宅に住む及川恭子。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機にゆらぎ始める。夫への疑惑、不信は波紋のように広がっていく。犯罪小説の傑作。大藪春彦賞受賞作。
邪魔(下)
奥田英朗
629
あまりに切ない
クライムノベル。
本庁勤務を経て、現在警部補として所轄勤務している九野薫。放火事件では経理課長の及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌し、落ちていく人間たちを絶妙な筆致で描く犯罪小説の傑作。驚愕のラスト! 大藪春彦賞受賞作。
銃とチョコレート
乙一
590
少年の旅は、
甘くてほろ苦い。
大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける怪盗ゴディバ。世紀の大悪党に挑戦する国民的ヒーローの名探偵ロイズ。憧れの探偵と行動を共にする少年リンツに降りかかる災難とは? 意外な結末に驚嘆する、傑作ミステリ。
アウト&アウト
木内一裕
629
おかしく、痛く、
せつない、
痛快ハードボイルド。
自称探偵で元ヤクザ。矢能が呼び出され目撃したのは、死体となった依頼主と妙な覆面を被った若い男。覆面男はまだ知らない。これが周到に用意した計画の唯一の誤算になることを。最も危険な探偵の反撃が始まる。
欠落
今野 敏
760
警察小説と
エンタメの
鮮やかな融合。
同期の女性警官が立てこもり事件の身代わり人質となった。別の死体遺棄事件を捜査しながら刑事・宇田川は彼女の安否が気にかかる。実は2つの事件には隠された秘密があった。『同期』待望の続編。長編警察小説。
盤上のアルファ
塩田武士
640
今が辛かったら、
これを読め!
県警担当記者から、文化部の将棋担当に左遷された秋葉隼介の家に、ある日、プロ棋士を志す不遜な男、真田信繁が転がり込む。絶体絶命の男が巻き起こす、熱い感動の物語。話題の『罪の声』著者のデビュー作。
虚構推理
城平 京
740
「破格」かつ「規格外」
の荒業を見届けよ。
深夜、鉄骨を振るい人を襲う亡霊、鋼人七瀬。それは都市伝説か本物の亡霊か。人の想像力が生んだ恐るべき妖怪を退治するため少女が仕掛けたのは、虚構をもって虚構を制する荒業。空前絶後な推理は成功するか?
メサイア警備局特別公安五係
高殿 円
760
散れ、
サクラのごとく。
それがスパイの流儀。
世界から戦争がなくなって10年。平和な日本の首都、新東京市の片隅に若きスパイ集団、通称「サクラ」がいた。両親を惨殺された海棠鋭利、幼い頃兄と生き別れた御津見珀。桜のように潔く散る、それが彼らの流儀。
13階段
高野和明
648
デビュー作から
桁違いの迫力。
犯行時刻の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすため、刑務官と青年は調査を始める。手がかりは死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない……。江戸川乱歩賞受賞作。
壊れる心警視庁犯罪被害者支援課
堂場瞬一
770
100の事件には、100通りの
哀しみがある。
私は刑事ではない。被害者の傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない、私だからこそしなければならない仕事。月曜朝、通学児童の列に車が突っこんだ。犯人確保も事件は思いがけない方向へ。〈文庫書下ろし〉
ヒトイチ警視庁人事一課監察係
濱 嘉之
610
元公安マンが
描く警察の機微。
警視庁人事一課、通称ヒトイチの若手監察係長・榎本博史は、警視庁内部の不正に昼夜目を光らせていた。組織内の噂や内部告発を洗っていくと、思わぬ人物に疑惑がおよぶ。身内捜査シリーズ開幕!〈文庫書下ろし〉
天使のナイフ
薬丸 岳
667
謎解きだけでは
終わらせない。
妻が殺された。だが、3人の犯人は少年だったため、罪に問われることはなかった。4年後、犯人の1人が殺され、桧山は疑惑の人となる。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、江戸川乱歩賞受賞作。
ま・く・ら
柳家小三治
695
「まくらの小三治」の
真骨頂。
枕は落語のイントロ。バイクの車庫に居ついたホームレス、落語留学の顚末、お塩まで小三治にかかるとたまらなく面白い。生一本で心温まる「枕の小三治」の真骨頂。楽しくいこうよ! 人間国宝・小三治の人生読本。
半落ち
横山秀夫
590
妻を殺した男が
“完落ち”しない
理由とは?
現職警察官が妻を殺したと自首した。動機も経過も明かしたが、自首までの2日間の行動だけは語らない。男が完全に“落ちない”のはなぜか、胸に秘めた想いとは——。日本中が震えたベストセラー作家の代表作。