───電子書籍になじめません……。
最近老眼なのか文字が見えづらく、本を読むのもしんどくなってきました。
そこで娘が電子書籍を勧め、タブレットPCというものを買ってきてくれたのですが、どうもしっくりきません。娘に相談すると昔の人間はこれだから、と呆れられてしまいました。電子書籍だとなんだか味気ないし、本は紙のページをぱらぱらめくって読むのがいいのですが、もう時代遅れなのでしょうか。少し寂しい気持ちです。
(50代 男性 鶴眼鏡)
鶴眼鏡さん、電子書籍になじめず、紙の本への愛着を口にされる方は、あなただけではありませんよ。そのことで自分は「時代遅れ」なのだと思うと、寂しくもなりますよね。しかし、少し角度を変えて考えてみては如何でしょう。50代のあなたは、生まれたときには、電子書籍というものは存在しませんでしたね。つまり、人生の途中で初めてそれに出会った、時代の目撃者となり得たのです。これから生まれてくる人は、物心つく頃には、タブレット等で本を読む人がいることを、なんら不思議に思うことなく、「生まれたときからあったもの」として受け止めるでしょう。でも、あなたは違う。まるで知らずに生涯を終えた人とも、生まれたときからそれを知っている人とも違う感慨を味わった、貴重な存在なのです。歴史の証人として、誇りに思いつつ、自分の感覚を慈しみましょう。でも、老眼のお父様のためにすかさずタブレットPCを買ってきてくれる娘さん、お優しいですね。こちらも、あなたにとってとても貴重な存在ですね!