講談社文庫

シスリー姉さんの月光相談室 あなたの悩みに答えます

───SNSの悪循環から抜け出したい!

q.最近SNSを始めたのですが、小学校卒業以来連絡を取っていなかった同級生たちと繫がりました。懐かしい気持ちで近況を見ていたのですが、みんな結婚して子供がいたり、素敵なランチの写真をあげていたり、華やかな生活ぶりでとても劣等感を覚えてしまいました。わたしも負けじと旅行の写真やおしゃれな写真をあげていたのですが、正直ネタ切れだし疲れてしまいました。もうやめようと思ったのですが、なんだか負けたような気分になってしまってやめられず、同級生たちの近況を見ては空しい気持ちになっています。この悪循環から抜け出す方法はないでしょうか。助けてください! (30代 女性 しゃしゃっち)

a.しゃしゃっちさん、SNSを始めたことでいたたまれない気持ちになってしまった方は、きっとあなただけではないはず。なぜみなさん、素敵なランチなどの私生活をSNSにアップして披露するのでしょうか。それは、自分の華やかな生活ぶりを誇示することによって優越感を抱きたいからに他なりません。そんなものに劣等感を持つなど、相手の思うツボですし、対抗していては、きりがありませんね。とりあえずあなたの心の辞書から「うらやましい」を削除してみましょう。どんな生活ぶりを見ても、へーそんなことする人がいるのかあ、と平らな心で眺めるのです。そのうちに、豪華なエピソードよりも、なにげないもののおもしろさや味わいに引かれていくでしょう。なんでもない一日がかけがえがないことに気付いたとき、日々のSNSもずいぶん違ったものに見えてくるでしょう。かのアインシュタインも、かつて帝国ホテルに滞在した際、配達人にチップがわりに渡したメモにこう記したそうですよ。「静かで節度のある生活は、絶え間ない不安に襲われながら成功を追い求めるよりも多くの喜びをもたらしてくれる」と。

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シスリー姉さん
シスリー姉さん
東直子氏の小説『らいほうさんの場所』(講談社文庫)の主人公志津が、占い師として名乗る名前。作品中でシスリー姉さんこと志津は、「生まれ月別運勢占い」をweb上で毎週更新している。自分の心の内側からふいに浮かんでくる言葉で悩み事に答えるのが、シスリー姉さん流
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