講談社文庫

シスリー姉さんの月光相談室 あなたの悩みに答えます

───二年越しの片思いが成就したとたん、熱が冷めてしまいました!

q.二年片思いをして、やっと付き合うことになった彼と、三ヵ月になるのですが、別れたいです。別の部署の彼が気になり、休憩時間や打ち合わせの際の雑談で距離を詰め、飲み会を企画し、ついに二人で食事をし……とここまでは楽しくて仕方なかったのですが、片思いのときが一番楽しいというやつだったようで、すっかり熱も冷めてしまいました。とはいえ二年もの歳月をかけてついに射止めた、社内恋愛というリスキーな真似までしている彼と、あっさり別れるのももったいないような……。このまま付き合っているべきでしょうか? (20代 女性 おっきー)

a.おっきーさん、お気持ちよく分かります、と同意はしかねます。二年もの片思いがやっと成就したとたんに別れたくなる、その理由として「熱が冷めた」というだけなのですか?いざ付き合ってみると、思っていた人とは違っていた、ということなのでしょうか? いずれにしても三ヵ月だけで結論づけるのは性急です。ずっと欲しかったものなのに手に入れたとたんどうでもよくなるなんて、まるで子どもがおもちゃを欲しがるように相手のことを捉えているようです。片思いが一番楽しい、というのは、一人で妄想していられるからです。妄想の中で理想化された人物と、現実の彼とは別物です。片思いという非現実と、両思いの現実を混同してはいけません。せっかく現実の世界で深く知りあうチャンスを得たのです。彼をこの世に生きるかけがえのない一人の男性としてきちんと関わって、現実の中に喜びや楽しさを見出してみて下さい。それでダメだ、と思った場合は、生涯片思いのトキメキをエネルギーとして生き抜くのも、粋な人生かと思います。

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シスリー姉さん
シスリー姉さん
東直子氏の小説『らいほうさんの場所』(講談社文庫)の主人公志津が、占い師として名乗る名前。作品中でシスリー姉さんこと志津は、「生まれ月別運勢占い」をweb上で毎週更新している。自分の心の内側からふいに浮かんでくる言葉で悩み事に答えるのが、シスリー姉さん流
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