講談社文庫

シスリー姉さんの月光相談室 あなたの悩みに答えます

───いい歳をして若いアイドルに夢中の妻

q.妻が若いアイドルに夢中になって困ってます。最初はテレビを見てキャーキャー騒いでいるだけでほほえましかったのですが、最近ではコンサートツアーに全部行きたいと言って、追っかけています。さすがに苦言を呈したら、「我家には子どもがいないのだから我子を見守るような気持ちで追いかけている」とキレられました。子どもを授かることなく老後を迎えようとしている今、夫婦二人でどう過ごしていけば良いのか悩みます。 (50代 男性 枯れ枝)

a.枯れ枝さん、アイドルを追いかけて出かけていった妻を待ち続ける日々、なんだか切ないですね。アイドルを追いかけている奥様の脳内は、擬似恋愛のエネルギーに充ちています。その恋が叶うことはないと理解はしていますが、恋愛状態にある脳は、ある種の狂気を孕んでいます。現実の家庭生活を大事にするべきだ、という正論はなかなか通じないことでしょう。とはいえ、追っかけを極めるあまり老後の資金を使い果たすなど、人生が破綻してしまうことは避けたいですよね。資金的な限界を試算し、一年に通えるライブの数などの追っかけ活動の上限を定めましょう。夫婦の共有財産と時間を妻だけの趣味に使うのですから、その権限はあなたにもあるはずです。法律家など、それなりの専門家に間に立ってもらうのも一つの方法ですね。
あるいは、あなたがアイドル顔負けのサービスで奥様の心をもう一度メロメロにしてしまえば、幸福な二人の道のりが待っていることでしょう。

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シスリー姉さん
シスリー姉さん
東直子氏の小説『らいほうさんの場所』(講談社文庫)の主人公志津が、占い師として名乗る名前。作品中でシスリー姉さんこと志津は、「生まれ月別運勢占い」をweb上で毎週更新している。自分の心の内側からふいに浮かんでくる言葉で悩み事に答えるのが、シスリー姉さん流
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