講談社文庫

□2016年07月号目次

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辻村深月さんの直木賞受賞後第一作となった『島はぼくらと』(2013年6月刊)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3000人の離島「冴島」を舞台にした長編小説です。巻末には、謝辞が掲載されています。「この話を執筆するにあたり、友人の西上ありささんにお話を聞かせていただきました。彼女と出会ったおかげでコミュニティデザイナーという職業を知り、そもそも西上さんとの出会いがなければ、この小説は存在しなかったと思っております」。今日は西上さんをお招きし、『島ぼく』の物語世界の魅力を、辻村さんと語り合っていただけたらと思います。

辻村

よろしくお願いします。

西上

こちらこそ、よろしくお願いします。

辻村

……不思議です、友達と対談するのって。講談社に場所を借りて、女子会をやっている感じ(笑)。

西上

ほんとほんと!(笑)

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お二人が友情を結ぶことになった経緯とは?

辻村

六年前に、鈴木輝隆(すずきてるたか)さんという大学の先生から「旅に誘います」ってメールが来たんです。鈴木先生はローカルデザイン研究をされている方で、私が『名前探しの放課後』を書く時にもお世話になった先生です。人と人を繋げるのが大好きな方で、メールには「面白い人たちと一緒に瀬戸内を回りましょう。日程は五日間です」とありました。ただ、送られてきた日程表を見ても、移動の範囲が広すぎて何をするのかさっぱり分からないんですよ。とりあえず、この日の正午に尼崎(あまがさき)の駅に着いていればいいらしいというのは分かったので、じゃあ行こうかなと(笑)。駅に着いたら鈴木先生の他に、デザイナーの原研哉(はらけんや)さんや梅原真(うめはらまこと)さん、コミュニティデザイナーの山崎亮(やまざきりょう)さんと、ありさちゃんがいたんです。

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