講談社文庫

□2015年5月号目次

 鈴木さんの大ファンなので、今日はお会いできてとても嬉しいです!

鈴木 ありがとうございます。今、辻村さんの『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(以下『ゼロハチ』)を読み終えた直後です。すごく動揺していて、ちゃんと喋れるかどうか。あえて読了直後の感覚で臨もうと思ったのですが、大失敗でした。とてつもない作品です……。

『ギャングース・ファイル』との出会い

 私が鈴木さんを知ったのは、『ギャングース・ファイル』(原題『家のない少年たち』太田出版刊)が原案の漫画、『ギャングース』(「モーニング」連載中)がきっかけです。ルポルタージュの漫画化は珍しいことだと思うのですが、どういった経緯で実現したのでしょうか。

鈴木 『ギャングース・ファイル』の単行本を読んだ編集者のS根さんから、漫画にしたいと熱烈なアプローチをいただいたことがきっかけです。

 ちょうど、自分の書いてるものが誰に伝わっているのか、悩んでいた時期でした。僕がこれまで書いてきた書籍の読者のほとんどは子供や女性の貧困に興味がある人たちでした。でも興味がない人にこそ、この問題に目を向けてもらいたいし、そうする必要があると思っていました。オファーをいただいて、漫画というパッケージなら手に取ってもらえるんじゃないかと思い、漫画家の肥谷圭介(ひやけいすけ)さんと組むことにしたんです。村さんが『ギャングース』を読まれた理由はなんだったんですか?

 もともと「モーニング」愛読者なんです。子供のころから、書店の袋に書いてあった「読むと元気になる!」という「モーニング」のキャッチコピーを知っていて、いい言葉だなと思っていました。ただ、一緒に『ああ播磨灘(はりまなだ)』の主人公も印刷されていたので、しばらくは、雑誌じゃなくて作品のキャッチコピーだと勘違いしてたんですが(笑)。

 ここ数年は、毎週「モーニング」をとても楽しみにしていて、新連載も欠かさず読んでいます。だから『ギャングース』も、新連載が始まったな、と思って、最初は何の気なしに読んだんです。

 感想を一言で言うと、グッときました。読んでいる間中、ずっとなにかに圧されているような感覚がありました。それと、欄外にある注釈「すずきメモ」も抜群に面白かった。この人、いったい何者だ!? と思い、著作に手を伸ばしたんです。

鈴木 「すずきメモ」はS根さんの提案なんです。僕は、漫画に現実の情報という不純物が入るのはどうかと思ったんですが、結果としてはあってよかったですね。

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