講談社文庫

□2015年2月号目次

―今日は悩める就職女子、社会人女子に向けてお話をいただければと思っています。よろしくお願いします。

 そもそもバブル世代就職なので、私の話は参考にならないかと思いますが……。よろしくお願いします。

―子供の頃の将来の夢は何でしたか。作家になりたいという夢は子供の頃からあったのでしょうか。

 子供の頃、職業意識というものは全くありませんでした。お嫁さんに対する憧れというのも特になくて。

―小学校の文集では「将来の夢はインテリアデザイナー」と書かれたそうですね。

 テレビか何かでインテリアデザイナーという仕事を知って、なりたい職業は何もないから「適当に書いておけ」と、そういうことだったと思います。

―小学生が選ぶにしては、おしゃれなカタカナ職業ですよね。

 適当ながらも「ちょっとひとひねりのある、かっこいいお仕事がいい」と思ったのでしょうね(笑)。

 その後、小学校高学年になって、旅に関わる仕事に憧れを持ち始めました。とはいえ子供なので、どんな仕事があるのかよくわからない。新幹線の売り子さんかトラック運転手さんになると、色々な場所に旅できるのかなと思っていました。

―そこで「スチュワーデスさんになりたい」とは思わなかったのですね。

 思わなかったですね~。飛行機が頭に思い浮かばなかった。それよりも、新幹線の売り子さん。その頃からすでに鉄道派だったんです(笑)。

 あとは、トラックの運転手さんにもロマンを感じていました。当時、ラジオの深夜放送で、『いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜』という、トラック運転手さん向けの番組がありました。それを聴いていると、地方のドライブインの電話から、運転手さんがスタジオと繋がっていて、八代亜紀さんの曲をリクエストしたりしている。知らない地方や山奥のドライブインといったものに旅情をかき立てられて「素敵!」って思っていたんです。

―その夢はしばらく続きましたか?

 中学生になったら、紀行作家の宮脇俊三さんの本を読むようになり、鉄道でこんなに日本の津々浦々まで行けるんだと知りました。でも私は内気かつ行動力がなく、中学生でやっと新宿で乗り換えができるようになったばかり。本の中だけで旅の世界を楽しんでいました。

続きはIN★POCKET 2015年2月号をご覧ください

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