講談社文庫

第1部:新シリーズ誕生をめぐる徹底対談


堂場瞬一×大矢博子

▼新シリーズ、始動の背景
堂場 しまった、眼鏡を忘れてきた。
大矢 眼鏡なんかかけてましたっけ?
堂場 中吊り広告に写真が出てから、声をかけられるようになったんですよ。だから媒体ごとに見た目を変えて、ちょっと攪乱しようかと思って。このあいだなんてサウナでいきなり「いつも読んでます」って(笑)。
大矢 売れっ子ですねえ。
堂場 でも裸ですよ? そんなところで声かけられても、どうしていいんだか。
大矢 人気シリーズをたくさんお持ちですから、至るところに読者がいるんですよ。そして講談社文庫でも、いよいよ新シリーズが開幕ですね。『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』、一気読みでした!
堂場 ありがとうございます。
大矢 犯罪被害者のケアをする支援課というテーマはとても興味を引かれましたし、読み応えがありました。どうしてこのテーマを選ばれたんですか?
堂場 被害者について書きたいというのは昔から考えてたんです。ただ、どう処理していいかわからず、ずっと抱えてたんです。そんなとき、ある本を読みまして。

続きはIN★POCKET8月号をご覧ください

▲ページトップへ

江戸川乱歩賞60周年記念大特集


乱歩賞を知るための6の謎

Q1乱歩賞って、そもそもどういう賞?
推理小説の公募新人賞。未発表の長編作品を募集し、受賞作を書下ろしの単行本として出版している。主催は日本推理作家協会。後援は講談社で第38回からはフジテレビも参加している。新人賞という位置づけだが、デビュー後の作家も応募可能だ。

Q2日本推理作家協会って?
前身は江戸川乱歩が組織した「探偵作家クラブ」。乱歩を慕って集った作家や読者が定期的な会合を催したのが始まりだ。『探偵小説年鑑』(現・『ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑』)の刊行、日本推理作家協会賞の授与などを行っている。
乱歩賞の選考委員には必ず推理作家協会の理事長が加わっており、第59回までは東野圭吾氏、今回からは今野敏氏がその役回りだ。また予選委員会には日本推理作家協会の常任理事が立ち合う決まりだ。

Q3乱歩賞はいつ、なぜできたのか?
乱歩が賞の創設を宣言したのは、1954年10月30日、自身の還暦を祝うパーティーの壇上でのこと。創設の目的は日本の探偵小説を盛り上げるためだ。乱歩が探偵作家クラブに寄付した100万円が元手となった。当初は探偵小説の分野で大きな活躍をした人もしくは団体に贈る賞とされ、小説の他、翻訳、評論、映画、演劇なども対象だった。実際に第1回は中島河太郎の『探偵小説辞典』に、第2回は早川書房の「『ハヤカワ・ポケット・ミステリ』の出版」に贈られている。

続きはIN★POCKET8月号をご覧ください

▲ページトップへ

無題ドキュメント