石川県で、ある考古学グループが「七十万年前の地層から、人骨と石器を掘り起こした」と発表。本当なら、八万年から九年前とされていた日本列島での人類の足跡が、一気にさかのぼる。歴史の教科書もすべて書き換えられることになる……。

　ところがその後の調査により、掘り起こされた人骨と石器は、大学の資料室に保管されていた物と判明。グループのメンバー六名は学術研究のため、いずれも種類の異なるサンプルを二個ずつ借りていた。人骨と石器が貸しだされたメンバーこそ、捏造の主犯とみなされるが、さてそれは誰なのか……。

　文科省「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」による調査で発覚した事実は、以下のとおり。これをもとに、捏造犯を探しだしてください。

　超一流大学の理工学部出身と自負する六人。いずれも学生時代は「有機物における超伝導転移温度の最高記録を塗り替える」画期的な研究に携わっていたと主張。しかし、同研究に参加していた学生は五人だったはず……。

　先日、大学の同窓パーティーが開催され、六人全員が出席した。みな自分以外のふたりと、パーティーで顔を合わせたと証言している。

だが、捏造犯はパーティーでなるべく話しかけられないよう、人を避けてまわっていたらしい。捏造犯の証言には、嘘が混じっている可能性が高い。嘘をついているひとりを探しだしてください。

　画期的な万能細胞が発見された！　と公表され世間を騒がせたものの、じつは既存のＥＳ細胞が混入されていただけの捏造と判明。それも、使われたのは研究所内にあったＥＳ細胞だった。

　研究所内の五人のスタッフのうち、ＥＳ細胞を保管していたのは磯崎柊太ひとりだけだったが、スタッフ間における研究用サンプルの譲渡はさかんにおこなわれているので、別の人間の手に渡っている公算が大きかった。

　文科省「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」による調査で判明した事実は以下のとおり。これをもとに捏造犯を見つけだしてください。